ヨガ情報ニュースサイト・ヨガッコは、ヨガ・ピラティスの学校

mantra

2017年12月12日

小笠原 文

聖なる言葉のエネルギー “マントラ”  〜後編〜

マントラについて解いていくコラム。
前回の『聖なる言葉のエネルギー “マントラ” 〜前編〜』では、どのような仕組みでマントラが私たちに影響を与えるかをみていきました。

そして今回の〜後編〜では、どんなマントラがあるかのをひとつ、紹介したいと思います。

 

:::::::::::::::::::::::::

マントラをインターネットで検索すると、メロディにのせて歌う“マントラミュージック”がたくさん出てきます。
音楽にすると言葉も覚えやすく、心地よいリズムにも癒されますね。

お気に入りの音楽は繰り返し聞いたりヨガクラスで流しているうちに自然と覚えて、
一緒に口ずさんでみる “ヴァイカリージャパ” “ウパームスジャパ” や、
心の中で “マーナシカジャパ” も実践できて一石二鳥・・・よりももっとですね。

マントラはたくさんありますが、多くの方に親しまれている《シャンティ マントラ》をここではみていきたいと思います。

 

シャンティとは

「平和」「幸せ」と訳されますが、
波の立たない静かな状態」のことを指しています。

様々な思考、様々な反響、様々な感情など
それら全ては消え去り、または絶妙なバランスで整い、穏やかで全てが満ち足りた静寂が広がるようすを表しています。

〜自身の中にある歪んだ心や迷い、邪悪なもの
それらを全て平安へと導いてくれますように〜

そんな祈りを込めて、インドでは朝に唱えられることもあるようです。

 

 

3つのシャンティ

ーOm shantih shantih shantih”ー
と “シャンティ” を3回続けるところがいくつか出てきますが、これは3つの障害なくす意味も込められています。

1:物理的なもの
対人関係・自然災害などの外的要因

2:霊的なもの
宗教・霊的存在などの精神的要因

3:内部的なもの
痛み・病など心と体の不調和によって起こる要因

これらを「shantih」と唱えることによって浄化しているのです。

 

 

【shantih mantras】

 

Lokha samas tah sukhino bhavantu
(世界が統合され 幸せでありますように)

Om asato ma sat gamaya
(偽りを真実へ)

Tamaso ma jyotir gamaya
(闇を光へ)

Mrityor ma amritam gamaya
(死を不死へ)

Om Shantih Shantih Shantih
(平和 平安 調和)

 

Om sarve sham swastir bhavantu
(生きるもの全てがよくなりますように)

Sarve sham shanter bhavantu
(生きるもの全てが平和でありますように)

Sarve sham pornam bhavantu
(生きるもの全てが完全でありますように)

Sarve sham mangalam bhavantu
(生きるもの全てが繁栄でありますように)

 

Om Purnam adah Purnam idam
(あれも完全であり これも完全である)

Purnat purnam udachyate
(完全から完全が生まれる)

Purnasya Purnam adaya
(完全の中の完全を取り除くと)

Purnam eva vashishyate
(完全のみが残る)

Om Shantih Shantih Shantih
(平和 平安 調和)

 

Om Sri gurubhyo namaha Hari Om
(輝かしい師へ 祈りを 感謝)

 

 
ー解説・訳ー
3つの節に分かれていますが、
3番目の “完全” について触れてみたいと思います。

ーーーーーーーーーー
・「Purn-am」は「満ちた・完全」という意味
・「adah」は「あれ」(※)
・「idam」は「これ」(※)
・「udachayate」は、送り出す・放つという意味から「生まれる」と訳される
・「Purn」につく「asya」は「〜の」
・「adaya」は「(〜した後で)取る・取り去る」
・「eva」は「ただ・全く」

(※ここでの「あれ」とはブラフマンを指し、「これ」とは私たちのこと。
絶対的存在であるブラフマンと、個の存在である私たちどちらも完全なものであり、違いのない同じひとつのものである。ということを表している)
ーーーーーーーーーー

 

これを私なりに訳してみます。

ここに存在するものは全て尊く完全なものである
ブラフマンでもあり個でもある存在に境目などなく何ら変わりのないひとつのもの
個の存在は内部や外部との触れ合いにおいて様々なものを生み出していくが、それもまた完全なものであるゆえ、
すでに完全である中から完全なものを取り除いたとしても、ただ完全が在るだけである
全ては完全の中に包まれている

 

:::::::::::::::::::::::::

 

と、私はこのように受け取りましたが、解釈の仕方もそれぞれであっていいと思います。

このシャンティマントラの中にある平安への祈りや願い、光でありたいと神に捧げる想い。
それもまた完全な中で生まれたひとつの “ゆらぎ”。
そんな風に私はこのマントラから感じました。

 

マントラはたくさんの種類があります。
音楽にしてもリズムや歌う人が変わればまた違ったものに聞こえてくると思います。
その時の気分によっても聞きたいマントラは変わってきますので、自身の心の変化に気づくきっかけにもしてみてください。

是非、お気に入りのマントラがあったら教えてほしいと思います。

また、『師から伝えられるマントラ 〜マントラ・ディクシャ〜』もご覧ください。

The following two tabs change content below.
小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

Page Top