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mantra

2017年11月30日

小笠原 文

聖なる言葉のエネルギー “マントラ” 〜前編〜

ヨガのクラスでもBGMとしてマントラ音楽を流したり、クラスの中で歌ったり唱えたりする、マントラ。

マントラとは、サンスクリット語で「文字」「言葉」という意味で
「聖なる言葉」「聖音」「真言」として大切に扱われています。

マントラの言葉一つ一つにはエネルギーが込められ、意識や環境の変化へと導く強いちからをもつといわれています。

 

言葉のエネルギー

この世界を形作っているのは、エネルギーです。
エネルギーという素材が、ありとあらゆるものに姿形を変え、空間や目の前にあるものに化けているようなものです。

そして、【 エネルギー 】とは【 振動 】 です。

エネルギーが振動しなければ、形を作ることはできません。
振動することで、物質的なもの・霊的なものなどに変化できるのです。

 

骨や内臓になるための振動。
人を構成する細胞になるための振動。
魂になるための振動。
水や土・空気になるための振動。
そして、
言葉になるための振動。

それが言葉のエネルギーです。
日本では「言霊」とも呼ばれます。

 

言葉を話すということは、言葉のもつエネルギーの振動を広げていることになるのです。

『あ』には「あ」の振動。
『愛』には「あい」の振動。

言葉によって振動パターンは変わります。
一人一人の個性が違うようなものです。

振動パターンの違いによって、細胞や魂・空間に与える影響が変わってきます。

 

マントラのエネルギー

マントラのエネルギーは調律されたように美しく整い、柔らかくなめらかで染み渡っていくように放たれます。
ヨガの目的とするサマディの領域に近いエネルギーをもつので、人々を真の方向へと導く強さがあるのです。

 

・自身の内側へ響けば、
体を構成する細胞や粒子、さらに細かいエネルギー体も振動し、意識の覚醒が起こります。

・自身の外側へ響けば、
波動となって肉体の周りに輝くエネルギーの膜をつくり、外部の刺激から身を守ります。

・さらに外へと広がれば、
マントラの聖なるエネルギーに触れたものは同じようなリズムで振動し始め、浄化されたり整ったりと周りの環境に影響を与えます。

 

エネルギーは自由です。
浸透できないものはありません。
この世界そのものがエネルギーでできているからです。

 

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例えば体の調子を崩している人がいたとしたら、
その人の振動は、たいてい鈍いリズムを刻んでいます。

そこにマントラの整った振動が触れたとします。

いくつかの振動が触れ合うとエネルギーは互いの様子を伺いつつ、どちらかに合わせようとする、または互いを引き出し合う “同調作用” が起こり始めます。

人が起こした鈍いリズムは『自我の領域』で起こったものであり、どうにでも変えることができます。

一方、マントラは『真我の領域』とほぼ同じ振動リズムです。

自我のエネルギーは真我のエネルギーに導かれて、次第に本来のリズムを取り戻しはじめます。

その変化こそが、『マントラを唱えることによる効果』として言われているものです。

マントラを唱えるのをやめ互いのエネルギーが離れたとき、まだ自我が完全に回復していなければまた鈍いリズムに戻りはじめてしまうかもしれません。

しかしまた、マントラで真我のリズムに合わせて整える。

これを繰り返していくと、マントラの力を借りなくても自分の中に取り戻したエネルギーによって正常な振動を続けていくことができるようになっていきます。

この正常な振動が、正常な体の状態になるということなのです。

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このような仕組みがイメージできてくると、マントラの効果というのは不思議なことでもなんでもなく、自然なことだということがわかります。

 

マントラ
 

くり返し唱える聖音 “ジャパ”

マントラを繰り返し唱えることを「ジャパ」といいます。

・声に出して唱える「ヴァイカリー ジャパ
・ささやき声で唱える「ウパームス ジャパ
・心の中で唱える「マーナシカ ジャパ

この3つの方法があり、心を満たしエネルギーを浄化してくれます。

その中でも最も有効なものは、心の中で唱える “マーナシカ ジャパ” で、
聖音エネルギーが螺旋を描くようなイメージで、自身の奥深くへと浸透していきます。

 

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○読むことは唱えること


日本では、お経を用紙に書き続ける「写経」がありますね。
はじめは雑念がある中でも、ひたすら書き続けるうちにやがて無心になり、瞑想のような状態へと変化していきます。

思考は動きを止め
“考える”ことを停止し
“書く”という行為は頭を使わずに勝手に体は動きだし
意識は“無”になり、瞑想の状態へ入っていく。

私たちが自然にしている“書く”という行為は、頭と心の中で文字を思い浮かべながら行っています。

見本となる文字を目で読み
脳の中でその文字を読み
そして手を動かしながら心で読む。

このように何度も同じ文字を繰り返します。

読むということは、その言葉のエネルギーを読んでいる = 唱えていることと同じになるのです。
( ※写経は梵字自体にもつエネルギーを書き起こすという行為も含まれています )

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マントラも同じように、用紙にただ書き続けていくうちに意識が深まっていくこともありますよ。

マントラの言葉はいろいろありますが、その時にふと浮かんだ言葉が今の自分に必要なものであることが多いので、心の声にも耳を傾けていたいですね。

ではそのマントラをひとつ、
次回の『聖なる言葉のエネルギー “マントラ” 〜後編〜』で紹介したいと思います。
どんな意味が込められているのかも、一緒にみていきましょう。

また、『師から伝えられるマントラ 〜マントラ・ディクシャ〜』もご覧ください。

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小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

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