2021年8月12日
小笠原 文
毎日の生活のなかでは、いいこともそうではないこともいろいろと起こり、
ときにはこころが沈んでしまうことがあるかもしれません。
がんばろうとするあまりにからだからのサインを見逃していると、
からだはおろか、こころは限界を感じて「つらい・だるい」といった無気力感におそわれてしまう心配がでてきます。
自律神経や体内リズムが崩れ、うつ病になるおそれもあります。
*うつ病についてはこちらに掲載しています。
『“うつ病” を知ること・できること』
そんな方へ、ひとつの対処法として提案するのは【1日たった5分のヨガ】です。
自律神経が崩れないように予防として。
また、崩れてしまったとしてももとの状態へ整えられるように。
1日のうちほんの5分だけ、【ヨガ】の時間を積極的につくってみてほしいと思います。
○なにをする?
このコラムでの要点はふたつです。
1、1日のうち、5分だけを確保してみる。
2、ゆっくり長めのヨガの呼吸を、5分やってみる。
このふたつだけを、まずは1日、できたら2日、3日・・・と続けてみてください。
はじめの5日間くらいはくじけてしまうこともあるかもしれませんが、
この5分が明日の自分をつくるエネルギー源貯蔵時間だというような気持ちで、ぜひチャレンジしてみてほしいと思います。
それでは下記を、ご覧ください。
◯まずは5分だけ確保してみる
大事なのは、「ヨガをやろう」と意気込まなくていいということを先にお伝えしておきます。
なぜなら「ヨガをやろう」とやる気があるときは、まだそれほどうつ病になる心配が無いためです。
そんな方は予防として、ぜひ5分のヨガをお試しください。
心配なのは「やる気が出ない」「なんとなくからだがうごかない」という方です。
うつ病になる一歩手前かもしれません。そのような方は、意気込まなくても大丈夫です。
ただ、ほんの5分だけの時間を確保してみる。
それを続けてみてくれたらと思います。
◯いつやるといいの?
1日のうちの5分。
それをいつにするのか、まず決めてみましょう。
朝起きてから。
午前中のひととき。
3時のおやつの前。
お風呂上がり。
夜ふとんに入る前。
などなど、無理をしなくていい、自分がいちばんリラックスできる時間帯を選んでみてください。
選んだら、その時間だけは毎日確保することをがんばってみます。
確保できた日はたくさん自分を褒めて、
確保できなくても責めたりせず、明日の自分へのエールだけ、送ってみてくださいね。
◯なぜ5分?
なぜ5分なのかというと、ヨガの呼吸と脳の関係に理由があります。
ヨガの呼吸というのは通常よりも“ゆっくり長く”行うことで、心身にさまざまな良い影響を与えてくれますが、
その呼吸を5分ほど続けていくと、脳波がα波に変化しはじめるということが検証されています。
α波の間は自然治癒力も高まってからだは整いやすく、こころにも余裕や安心感がうまれます。
スタートからの5分は意識的に呼吸を行うため少しだけがんばる必要がありますが、
α波に変わっていくと、その変化はここちいい感覚として気づくことができるかもしれません。
5分過ぎた後も長い呼吸続ければ続けるほど、α波は安定した状態で現れ続けるのだそうです。
また、呼吸の長さは、吸うとき・吐くとき共に6秒ずつにすると自律神経は整いやすくなるのでおすすめです。
(6秒間隔は副交感神経が働きやすく、眠りにつく前のようにリラックスしやすい長さといわれています。)
このようなことから、もし可能であれば、夜眠る前の5分がおすすめです。
5分の呼吸によってα波のリラックス状態になっているため、ゆったりと眠りにつくことができ、良質な睡眠がとりやすくなります。
◯5分でなにをする?
基本、好きなヨガの動きで大丈夫です。
大切なのは、気負わずに自分がここちよさを感じられること。
以前ヨガスタジオに通っていた方は、クラスに登場してきた好きな動きをすると良いです。
ストレッチのようにからだを伸ばしてもいいし、お気に入りのポーズを2つ3つしてみるだけでも十分です。
日常生活では動かす場面の少ない脇腹やからだの前面を伸ばしたり、ねじる動きなどをするとなお良いです。
ただ、呼吸だけは少し長めを意識してみてくださいね。
鼻から吸って、鼻から吐く。
まずは無理なく自分のペースでスタートしてから、徐々にプラス1秒…2秒と長くしてみてください。
からだの内側を広げるように、頭からつま先、指の先ひとつひとつにまで、気持ちのいい空気やエネルギーを届けましょう。
また、今はYouTubeなどで「ヨガ」と検索するとさまざまな動画がみられます。
多くのヨガスタジオがオンラインに力を入れはじめているので、自分に合ったヨガのスタイルをみつけることができるかもしれません。
“気になっていたあの先生”の動画を見られるチャンスでもあります。
○あわせてオススメのコラムはこちら
・生活リズムが乱れないようにするには〈概日リズム〉というものがひとつのヒントとなっています。
→ 『冬の不調は〈概日リズム〉を整えよう』
・春は特に、心地よい呼吸を優先としたフロースタイルがオススメです。
→ 『5月のオススメはゆったり “フロー” 〜そのワケは…』
どうぞ、日々にお役立てください。