2017年5月2日
小笠原 文
4月は年度の始まりでした。
新しい生活。新しい環境や出会いなど。
今までにはなかったことが次々と起こり、ワクワクしながらも忙しい季節です。
さらに春の空気に包まれ、一気に緩む身体。
周りの変化と身体の変化が一番大きい時期なのです。
“新しい” は “気を張る・緊張” 状態にしやすく、
環境に合わせようと日々動き・考えているうちに、心はいつの間にか許容量を超えてしまうことが多くあります。
そして気づいた時にはすでに体調を崩していたり急に気力がなくなったりと、
“うつ病”のようになってしまうのが『5月病』なのです。
◯ヨガにできること〜5月はフローに注目〜
この時期にオススメのヨガは『フロースタイル』。
呼吸に合わせて流れるように動くのが特徴です。
*ヨガフローは「流れる」という意味をもち、呼吸に合わせて次から次へとアサナを繋げていきます。
大切なのは、呼吸を中心に動くということ。
ポーズの完成度は求めずに、心地よさを最優先にすることを心がけます。
深い呼吸に合わせて、焦らず丁寧に。
アサナの繋ぎ目もひとつの形だと捉えるように、移りゆく過程さえも大切にしてみてください。
◯お家でのメンテナンスとして
ご自宅で行うときには、お風呂上がりがおすすめです。
適度に体も温まっているので無理なく伸ばすことができます。
これも、「やらなくちゃ!」ではなく、
1日動いた自分へのご褒美のように楽しむ時間にしてみましょう。
*自分の好きなアサナでもいいし、
やりながらその時々で自然にとりたいなと感じる動きをしていくのも良いですね。
*いくつかのポーズをつなぎ合わせた一連の流れを何回か繰り返してみるのも良いと思います。
1回目。2回目。
回を追うごとに動きはより自然に、呼吸も徐々に深まってきます。
◯フローの効果
同じ動きを繰り返したり、呼吸に合わせた流れるような動きは
頭の中がリセットされたように軽くなっていきます。
思考が静かになってくると意識も深まりやすく、
次第に瞑想状態へと近づくことで本来の自分が戻ってくるような感覚になるかもしれません。
力みのない思考状態はあらゆることをゼロへと戻し、活力を取り戻してくれます。
*体の変化
・全体的に余計な力が抜ける
・肩や背中がほぐれて呼吸も楽に
・眉間のシワの緩み
・体内機能が正常に働く
・腸内環境が整う
・自律神経のバランスが整う
・良質な睡眠
*こころの変化
・物事をシンプルに捉えられる
・広い視野
・精神安定
・余裕やゆとりが生まれる
など、プラスのことにたくさん繋がっていきます。
○母性ホルモン『セロトニン』分泌
心に余裕が出てくると、今度は体の内側からホルモンが溢れ出してきます。
→リラックスすることで “セロトニン” が作り出されるのです。
セロトニンが増えると、自律神経のバランスも整い、
代謝も向上し身体を元気にするチカラが湧いてきます。
※うつ病は、このセロトニンが欠乏していることも要因の一つと考えられています。
○良い睡眠へも導きます
早めに布団に入っても頭がいっぱいの状態では、色々な考えが堂々巡りのように溢れてしまい、ぐっすり眠ることができません。
せっかくの睡眠時間なのに、回復しないまま、しかも余計に疲れて朝を迎えることになってしまうなんて悲しすぎませんか!?
睡眠は、頭の中をクリアにしておくことがとても重要です。
「今日のあれが…」というその日に起きたこと。
〜それは過去のことですね。
「あれをしなくちゃ…」という明日の不安。
〜それは未来のこと。
どちらも “今” ではありません。
布団に入ると急に出てくるこんな思考。よくあることです。
だからこそ、“今この瞬間” へ導いてくれるヨガはとてもオススメなのです。
○5月の過ごし方
この時期、「〜しなければいけない」「〜であるべき」「頑張らなくちゃ」というようなことは、なるべく思わない方が良いです。
これは、うつ病の方に言ってはいけない言葉と同じです。
心はSOSを出しているのにそれを見ない振りをして自分を追い込んでいくような危険な状態になりやすいのです。
ほんの小さな瞬間でもいい。
自分の好きなこと・楽しいこと・休むことを最優先にしてあげてください。
そして、周りの方に頼ることも大切です。
迷惑をかけてしまうかも、、、ではなく、
体調を崩してしまった方が相手に負担をかけてしまうことを考えてみましょう。
自分の持っている呼吸というリズムに寄り添い、流れるように動くフローを積極的に取り入れ、
新緑の眩しい季節をめいいっぱい楽しみましょう!