2015年8月6日
小笠原 文
前回の『シンギングボウルって?その2~振動の謎~』に引き続き、
その特徴についてひとつひとつフォーカスしながらどんなものなのかを紐解いてみたいと思います。
特徴その2~音について~
シンギングボウルは音を鳴らす道具です。
専用のマレットなどで、丸い器の外側をたたいたりこすったりして音を出します。
□倍音(ばいおん)
シンギングボウル=倍音と言われるほど、大きな特徴のひとつです。
倍音とは、1つの音ではなく同時に2つ以上の音を出すこと。
音は周波数(1秒間にどれだけの波を打つか)。500HZの音は、倍の1000HZを出していることになります。
音が倍になると奥行きが増し、人が最も惹かれる音・リラックスする音・好まれる音を発します。
楽器で倍音を多く奏でるのは、サックスやトランペット・シンバルなど。
一音で違う世界が広がるような奥深い音色が特徴です。
倍音は楽器だけでなく、人でも生まれつき倍音の声を発する方もいらっしゃいます。
その声は落ち着きがあり、いつまで聞いていられるほど安らぎを与えてくれる声だとか。
会話の内容ではなく、音の波長に惹かれるのです。
□1/fゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)
倍音の中に含まれる安らぎの原因でもあります。
ゆらぎ音とも呼ばれ、癒しを感じるキーワードとなります。
ゆらぎはその名の通り、ゆらゆら揺らめくイメージを持っていて大丈夫です。
自然界に多く存在する音。
など、森林浴をしているときのリラックスしている感覚は、このような大自然が発するゆらぎの音を感じていることが理由のひとつでもあります。
この例に挙げたものは、どれも一定の光や音を放ちながら、全く同じではなくゆらゆらと不規則を繰り返していることに気づきませんか?
《ゆらぎとは、一定でありながらも不規則を繰り返していること》
と定義されています。
さらに、わたしたち人間も、常に揺らいでいます。
心臓から流れる血液・内臓の活動・動き続ける細胞・呼吸など。
一度として同じ動き・ピタリと停止することはありません。
ゆらぎとゆらぎは共鳴し合います。
□α波
人の脳の波動を調べたものです。
人はイライラや興奮・緊張状態のとき、脳波はストレスを感じるβ波になります。
リラックスや落ち着いているときは、α波。
軽い睡眠状態は、θ波。
瞑想への入口あたりから、δ波。
このように意識の段階によって脳波は変化しています。
シンギングボウルの音色は、1度鳴らしただけでも20秒でα波に変わると言われています。
また、深い瞑想状態へも導く道具としても活用されています。
体の疲れ・こころの疲れを和らげ、深い睡眠へと誘う癒しの音色の持ち主です。
さらに、シンギングボウルの音はわたしたち日本人に馴染み深い『鐘』の音ととてもよく似ています。
どこか懐かしさを感じ、お寺の情景がこころに浮かび日本独特の魂が呼び覚まされる感覚。
日本とインドはいろいろなところで似ていることがあり繋がっています。
聞いているだけで自然とリラックスしてくる音色は、このような理由からくるものです。
次回は『シンギングボウルって?その4~ヨガとのつながり・チャクラ~』について触れてみたいと思います。