2016年8月23日
小笠原 文
8月中旬。
暦の上ではすでに立秋も過ぎ、少しずつ秋の気配を感じる季節となります。
しかし同時にまだまだ残暑が厳しく、湿気の多い日本では熱中症対策が必須となっていますね。
過ごしやすいと感じる秋ですが、天気はコロコロと変わり、思った以上に身体に負担のかかる季節なのです。
気温が日に日に下がっていく「降温期」。
一日の気温差が8度以上になると、頭痛・体の疲れ・だるさなどの「気象病」をひき起こします。
冷え対策もそろそろ始めてみてもいいかもしれません。
四季の中で体調を崩しやすいのが「春」と「秋」。
特に秋は注意が必要です。
◆◆夏から秋にかけて体調を崩しやすい理由はふたつ◆◆
□ひとつは気温の変化による自律神経の乱れによるもの。
自律神経とは、自分の意思とは関係なく無意識のうちにはたらいている神経のこと。
呼吸・消化・代謝など心身のバランスを整え体の機能を調整する働きがあります。
気温の差が大きくなると対応に追いつかず、何らかのかたちで身体にサインを送ります。
(例えば、血液循環の不良による「免疫力の低下」・筋肉疲労による「頭痛」「体の痛み」など)
それだけでなく、精神的状態も不安定になり「うつ病」の発症が多いのも、実はこの時期なのです。
□もうひとつは、天気との関係によるもの。
秋は天気の変わりやすい季節に加え、台風の多い時期でもあります。
『古傷が痛むと雨が降る』と昔からよく言われますが、雨が降ると気圧の低下によって体内の水分循環を滞らせ、「体のむくみ」「古傷などの痛み」「頭痛」を訴える人が多くなる傾向があるようです。
*意外なことに気圧が下がれば、“酔い止め”を使うのもひとつの手だそうですよ。
(天気痛を起こす人は耳の奥(内耳)にある気圧を感じる細胞が関係。
他の人より敏感だとちょっとした気圧の変化に反応して交感神経が刺激されるのだそうです。)
気候の変化には、『自律神経を整えることが最も重要であり有効的』だと言われています。
バランスを崩すと不調が表れ、正常に機能すると安定する。
とてもシンプルなことなんですね。
◆◆自律神経は2つあります◆◆
□交感神経:ストレスを感じたときに優位。
活動しているとき。興奮しているとき。
□副交感神経:リラックスを感じたときに優位。
休んでいるとき。落ち着いているとき。
この2つの神経のバランスをうまく保つにはどうしたら良いのか、いくつかご紹介します。
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①、朝起きたら太陽の光を浴びましょう。
②、運動を心がけましょう。
③、ゆっくりと湯船につかり心と体をリラックスしましょう。
④、良い睡眠をとりましょう。
などなど、なるべくストレスを溜めないような生活を心がけてみてください。
アロマなどの香りに癒されたり、自分だけの好きなことをするのもいいですね。
空を見上げるだけでも脳内にリラックス信号が送られます。
まずは、朝の陽の光を浴びて体内時計をスタートすることから始めてみてもいいと思います。
『枕草子』にもあるように、“秋は夕暮れ”がとても趣のある季節です。
夕方の鮮やかな空の色に包まれながら夜を迎え、虫の声をBGMに静かな時間を過ごすのもよさそうですね。
夏の終わり〜秋への移り変わり。すばらしい日本の四季をお楽しみください。