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greed

2016年12月17日

小笠原 文

欲のことを考えることの多いこの時期。・・・欲とは?

「欲」と聞くとどんな印象があるでしょうか。

何かを得たい。こうなりたい。
自分に足りないもの・欲するものを、得て満たそうとする欲求のこと。
さらには、それを得たときの快感をも求めている状態のことを言います。

 

「欲求」といっても多くのものがあり、生きていく上で必要なこともあれば、そうではないものも実に様々です。

□必要な欲 ~生理的欲求・本能的欲求~

  • 睡眠欲・食欲・排泄欲・呼吸欲・飲水欲・性欲など。
  • 生命を維持するためには欠かせないもの。
※食欲は自律神経のバランスが崩れることにより正しい判断ができなくなることで、過食症や拒食症になりやすいと言われます。

□生活の中での欲 ~社会的欲求~
  • 承認欲:認められたい・賞賛されたい
  • 優越欲:人より上に率いでたい
  • 達成欲:物事を達成させた快感を得たい
  • 保持欲:貯金や今現在必要ではないものも手元に置いておきたい
など。
他にも多くの欲求がありますが、欲があることは悪いことではありません。
人間は大脳のなかの「大脳新皮質」という割合が大きいため、分析的な思考や言語機能・理性を司る働きがあることから欲求が生まれるらしく、もともと備わっている機能です。

 

いろいろな欲がありますが、それでは、

*「今、あなたはどんな欲がありますか?」

今現在、何を欲しているのか感じてみてください。
今すぐ欲しいものや何年か先の未来のことまで。考えれば考えるほどひとつやふたつでは収まりきれないほどの欲があるかもしれません。
また、あまり欲がないな。なんてことに気づくこともあったり。

*「それでは、その欲をどれかひとつ、試しに無くしてみてください。」

●たとえば「食欲」。
何かを食べたいと思う気持ち、大好きなあの食べ物への欲求を消してみる。
注)「食べたくない」と思うことではありません。これではまだ欲求を裏返しにしただけで消えたことにはなりません。
“食欲そのもの” が存在しないかのように思い込んでみてください。

…少し難しいかもしれませんね。

●それでは「物欲」はどうでしょうか?
欲しい服やアクセサリー・小物・家具・家などあったらいいなと思うもの。
“物が欲しい”という欲が、あたかも存在していないかのように。

●「時間」が欲しいと思う方もいるかもしれませんね。時間は有限、限りがあるとされていますが、本当にそうでしょうか?
時間の存在さえも無くしてしまうことも可能だったりしますが、それはまた別のお話のときに触れてみたいと思います。

どうでしょうか。
無くすことは出来ましたか?

 

人間というものは「欲」を身に付けてこの世に生まれてきました。
それはここで生きる上で必需品のようなもの、そうでなければならないという一種のルールのようなものです。

欲を無くしてしまうとどうなるか。
一切のものを必要とせず、空洞のように中身のないただの“もぬけの殻”になってしまいます。
欲の全てを無くすのではなく、必要ではないものを削ぎ落とすことはよりよく生きるためには大切だといえます。

欲を手放す

必要以上のものを欲しないこと。

仏教の世界では、生きていく上での食事や行い・考え方まで最低限のものの中で存在するよう修行を重ね、さらに無欲へと近づくことを求めています。
それは「在る」ことはあたりまえではなく、尊いものとしてどんなものにも感謝の念が湧き出てくる、というとてもシンプルながらも大きい存在に気付くことができます。

「欲」は身体に付けられたオプションだと思ってみてください。
そのなかから、最低限のものは残し、他のものをひとつずつ外していく。

ひとつ外すごとに、身体の軽さと自身のエネルギーが輝いていくのを感じながら、じっくりとあせらず丁寧に削ぎ落としていく。
その分だけ、今在るものへの尊さがより際立ち、これほどまでに満ち足りていたのかという状態を知り、新たな気づきを得ます。

それは内なる自分へとゆっくり近づいていく行為。
「在る」が「まま」の状態へ。

自身を輝かせる内側からの眩いパワーは、この状態のときに多く発します。
オーラと呼ばれることもありますが、体内エネルギーが澄み、純粋な状態で輝きを放っていること。
不要なものがなくなるのでそれぞれのチャクラも滞りなく活発に回りはじめます。

——————–

と、ここまで欲を手放すことについて話してきましたが、文中にも書いた通り、
『欲はひとつのルールのようなもの』ということもとても大事なものになってきます。
なぜなら、
生きている=欲を楽しむ
に繋がるからです。

《生きているからこそ感じる欲を、もちろんバランスは取りながら色々なことを望んでみる。欲してみる。
そこで生まれた感情を楽しんでみる》

これが実は、生きている醍醐味なのだと思います。
逆に、欲のない生活はつまらないと感じるのでは?

ありすぎる欲は重くなります。
欲を楽しみながらも溜まったものを削ぎ落とし、自らを輝かせるゼロポイントへ戻り、そこからまたみえてくる新しい世界で大いに楽しんでいく。

それぞれ、私たちの生まれた理由は様々で何を感じ何を体験するのかは全く違いますが、
一番大切なのは、何をしにここに居るのか。

 

1年が終わりに近づくにつれて「煩悩」という言葉を多く聞くようになります。
煩悩は悪いことだと思われがちですが、良いことも煩悩のひとつと数えます。
良いこと・悪いこと。
それを決めるのは自分自身。
どうにでも解釈することができます。

自分自身をみつめる大切な時期。
輝く毎日を送っていきますよう、たくさんのことを、たくさん楽しむ日々でありますように!

 

 

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小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

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