私は幼いころから「ナルニア国物語」というイギリスのファンタジー小説が大好きです。
繰り返し、何度も何度も読み返すほど好きだった小説。
大人になって、本棚に並べられているのを久しぶりに見つけて読み返していたら、忘れていた気持ちと、新しい発見がありました。
●ナルニア国
この小説の舞台となるのはアスランと呼ばれるライオンが造った、人間界とはまた別に存在する魔法の国“ナルニア”。
その誕生から滅亡を描いたのが、この小説です。
動物や木、風や海、大地や星空。
妖精や小人、半身半馬などの実在しない生き物。
その全てに命が宿り、心があります。
そして、すべての命あるものが人間の言葉を理解し、話をすることができ、私たちの世界とは時間の流れ方もちがう、魔法が生きている国。
文字を読んでいくたびに目の前に情景が広がっていき、あっという間にナルニアの世界に引き込まれる、そんな美しい物語。
そしてこの小説の重要な点は、こちらの世界の人間の子どもたちが様々な形でナルニアに関わることで話が進んでいくことです。
●ルーシィ
私の大好きな第一章「ライオンと魔女」で初登場する、
人間の子どもペベンシー4兄弟、末っ子のルーシィ。
彼女は、兄弟の中でも1番愛に溢れた、私にたくさんのことを教えてくれた、心にずっと残っているキャラクターです。
いくつかの章で、こちら側の世界の子どもたちがナルニアへと冒険をしますが、1番多くナルニアに行っているのが彼女。
ナルニアへは自分の意思では行くことができず、突然、そしてさまざまな方法で、呼ばれます。
ルーシィがナルニアにたくさん行くことが出来た理由。
それは、成長をして歳を取っても、ナルニアを心から愛してその存在を信じていたから。
愛に溢れたルーシィは、たくさんの愛に守られます。
信じない者の前では隠れて話しかけてはくれない木も風も妖精も、彼女の前では姿を現し、話しかけます。
そして、ナルニアに呼び戻されるたびに、いろいろなことを経験しますが、どんな状況でもありえない、と言わずにまず受け入れて、一生懸命に向き合おうとします。
そんなルーシィが幼い頃からずっと、私の大切な友達で、
なにか乗り越えなくてはいけないことがあるたびに彼女を思い出します。
大人になった今も、これからもずっと私の憧れです。
●美しい物語
大人になってから、大好きなナルニア国物語について知ったこと。
それは、作者のC.S.ルイスの頭の中に浮かんできたもの、傘をさしたフォーンや、魔女、ライオン、そうしたただのイメージからこの物語がはじまったということです。
ナルニア国物語には、魔法が生きていて、存在しないギリシャ神話に出てくるような生き物がいて、でもサンタクロースも登場するし、魔女も出てくるけれど、普通の人間も描かれている。
話の流れはキリスト教をイメージさせる点がたくさんで、一貫性が全くありません。
それは、描かれているものすべてが完璧に計算されて作られた物語ではなくて、作者が幼いころから頭の中に描いていたものが、そのままナルニア国物語に詰め込まれているからです。
このことを大人になってから知って、また違った視点からナルニア国物語を楽しんでいます。
計算のされていない、ただ頭の中に広がった世界からはじまった物語。
緻密に、完璧に、丁寧に、作られたものも素敵だけれど、
私は彼の物語の作り方をとても魅力的に感じました。
ありのままがこんなに美しいこと、
ありのままでもたくさんの人を魅了していること、
忘れずに心に留めておきたいです。
みなさま昔大好きだった本、ありますか?
思い出して読み返してみると、いいことがあるかもしれません。
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ヨガを始めて、自分の呼吸で体がほぐれていくその心地よさを感じたり、
毎日の中で小さなことに心があたたまる瞬間が増えました。
そんな感覚や気持ちを大切にしながら、勉強を続けています。