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2015年10月3日

ゆきゑ

マントラ 〜 クンダリーニヨガ的解釈による音と言葉のヨーガ 〜

ヨーガを習っていたり、ヨーガの精神性に興味がある方が一度は耳にするであろう、「オーム om」という言葉。

最も知られているマントラのひとつではないでしょうか。

 

この言葉はヨーガの歴史やルーツを知るのに欠かせない、インド最古のサンスクリット語による文献『ヴェーダ聖典』に出てきます。

リシと呼ばれる、全てを予見する聖者達が神聖なる意識につながり、そこで得た経験を言葉にした『知識の聖典』です。

 

その聖典にある知識とは、知性による知識を超えた、宇宙の真理。
 

リシ達が得た真理のヴィジョンは詩として纏められ、真理を探求する者達への道しるべであり、知識の宝庫となりました。

それら数々の宝物のような詩が、元来「マントラ mantra」であると言われています。「マン man」は、思考、考える、熟考を意味し、「トラ tra」は道具という意味のサンスクリット語です。

 
つまり「マントラ」とは、「心を扱う道具」であり、「深い考えに導く道具」なのです。
 

『ヴェーダ聖典』のマントラは全て、「オーム」から始まります。聖典が伝える全ての知識は、オームという言葉に集約されると言っても過言ではありません。

 

オームとは、この宇宙を守る者。この世界の中で最も頼りになる者は、オームである。

それは、この宇宙に存在する全てはオームの内にあるから。そしてまた、私達人間を含めた全ての存在の源が、オームという音に秘められているからです。

 

ちょっとトリックのようですよね? 笑 これを哲学的と言うのでしょうか? 笑

オームについては素晴らしい解釈が色々なサイトで紹介されていますので、ここでは深く言及しません。

しかも、クンダリーニヨガでは『ヴェーダ聖典』のマントラを唱えることが殆どないからなのです。

へっ!?? と思わないでくださいね。笑

 
『ヴェーダ聖典』というのは本来、真理を探求する限られた人達のための聖典でした。
情報がこんなにも溢れ、公開されている現代社会はいざ知らず、つい100年程前までは、真理を求める者は俗世間の生活を捨て、修行することでしか探求の道は開かれなかったのです。

「オーム」を唱えるのは、すなわち修行へ入る宣言のようなものとも言えます。

今でもインドでは、マントラを唱えられるのはマスターからそのマントラを受け継いだ者のみだそうです。

歴史的にヨーガは元々出家者の行法だったことからも、このことは納得できるのではないでしょうか。

 

 
クンダリーニヨガは、俗世に生きる私達のためのヨーガとして発展してきました。
いかに力の源につながり、よりスムーズに、よりハッピーに生きるためのテクニックがごまんとあります。

裏を返すと、歴史的にはマスターから選ばれし者のみ、受け継がれる秘密のヨーガだったということなんですけれどね。。

なぜなら、力や権力というのは、選ばれた者だけが使いこなせるものだとされていたからなのです。

 

それはともかくとして、クンダリーニヨガには生命の力を発動させたり、人生をパワフルに盛り上げ、創造性を呼び起こすマントラがいくつもあります。

 

マントラは、唱えながら瞑想をするだけでなく、アサナ(ヨーガのポーズ)やムードラ(手を組む、手印)を行いながら唱えたり、エクササイズをしながら唱えたりもします。
それらのヨーガの技法は、マントラの持つ最大の効果を科学的に導き出した結晶です☆
 

 

クンダリーニヨガでは「マントラ mantra」とは、思考である「man」と「trang」という「波」「投影」「投射」を意味する言葉から成ると捉えています。

 

私達はエネルギーという海の中で生きています。波打つエネルギーの波動の中で、エネルギーを放ち、エネルギーを創りながら生きています。

実際、人間の脳の神経伝達は、電気信号を用いて行われていますよね。

 

私達の思考は、電磁気的な波動です。言葉はまず思考があり、初めて音として世界へと発せられます。
つまり、思考は無音の音。
 

この小さな宇宙である私達のシステムを、大きな宇宙へと拡大してみましょう。

すると、『 この宇宙全体は波動、音でできている 』、そして、『 すべては音、意識より始まった 』となる訳です。

 

マントラの威力というのは、この音の波にあります。

 

この宇宙を動かし、すべてを創造する、偉大な真理の音であるマントラの波動は、唱える者の思考のパターンを変えます。

 
マントラを唱えるということは、意識的な思考のコントロール法であり、思考の方向を意識的に整える方法です。
 

声に出して唱えると、響きが身体に生まれます。声の振動はまず声帯で起こり、口の中や喉、鼻腔に響き渡ります。

 

口の中の上にあたる口蓋には、84個の経絡のポイントがあります。エネルギーの伝達点です。

 

マントラを唱える舌の動き、そして音の振動が経絡のポイントを刺激する度に、脳の中の視床下部へと伝わります。

 

視床下部は自律神経の中枢であり、体温、睡眠、生殖などを調節し、ホルモンを分泌する脳下垂体と密接につながっています。

私達の気分、感情的行動の作動装置でもあります。

 

アサナでとる体位、ムードラで刺激される身体の部位からも、刺激は脳へと伝えられます。各マントラが目的とする、的確な効果をあげるために組み合わされています。

これらの刺激はもちろん、脳内のみならず、チャクラ、オーラを含めた10体の人間の体へも効果を与えます。

 

 

私達のエゴ(自我)は、思考のたゆまぬ自動的なプロセスで保たれています。

その思考とは、見聞きする対象や、これまでの経験からきた感情、考えから成り立っているものが殆どです。

つまり、私達は限られた枠の中にある自身を自分である、と信じて普段生活しています。

それは、「本当の自分」なのでしょうか。

 
大きな宇宙を創りだす波動は、私達の波動と同じでしたね☆
 

私達はこの宇宙という、大きな創造物の一部です。それは限定された小さな創造物が集まった塊ではありません。

無限に広がる、生命と意識のマトリックスの網状組織を構成する存在、それが私達です。

本当の自分は、自由で、無限の可能性に溢れた存在なのです。

エゴに翻弄される私達の波動は、往々にして宇宙の波動から外れ、この事実に意識的になれないことが多いだけです。

 

 

宇宙の波動を音として捉え、その音をグルムクという言語に翻訳した言葉が、クンダリーニヨガのマントラの大半を占めています。

 
マントラを唱えること、それは、宇宙の音に調律を合わせるということです。
小さなエゴから抜け出して、無限の創造性を奏でる宇宙へと同調することがマントラを唱える目的です。

 

宇宙の真理の波動と調和すると、私達は感受性を広げ、自身を高め、直感力を増やすことができます。

共に奏でる旋律は自身を癒し、気力の持続を育ててゆきます。

 

調和を奏でる宇宙と一体になり、人生を創り出す鍵、それがマントラの音と言葉です。

 

音は、私達の遺伝子に組み込まれています。

 

その音を美しい旋律で紡ぐのは、他でもない、私達自身の意識です☆

 

 

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ゆきゑ

ゆきゑ

エナジーヒーリング、カフナボディワークなど、心、体、スピリット、魂を揺さぶる全てのものをライフワークとして従事。そして、それをシェアすることをこよなく愛する、KRI認定クンダリーニヨガ講師。 2017「押上ヨガ祭」では、『呼吸の質を高めよう!〜クンダリーニヨガの技法〜』をテーマに昨年に引き続きクラスを受け持ちます。

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