2025年4月9日
かをる
ヨガと宗教ってどう違うの?
そんな疑問を持ったり、
あるいは聞かれたことありませんか?
信仰と科学の両方の要素を持ちあせている
ヨガの本質を理解してみようと思います。
ヨガは今から約5000年前の古代インドに始まり、
サンスクリット語の「結合する」という意味の言葉からきています。
特定の宗教に属するものではなく、インドのあらゆる宗教の根本にある行法です。
パタンジャリが体系化する前から、心と体をつなげる方法として実践されてきました。
私たちがクラスで忘れちゃいけないのは、ヨガの核心には「心の波を静める」という考え方があること。
ポーズはその一部分でしかありません。
「なぜこのポーズをするの?」という背景を伝えると、ヨガの理解もグッと深まります。
例えば、アルダ・マッチェンドラ・アサナ
「半分の魚のポーズ」として身体を捻るポーズです。
魚の生まれ変わりとされるマッチェンドラナータ(ヨガの聖者の一人)
彼は魚の時にはなかった手足を絡める捻りのポーズで何時間も瞑想をしたと言われています。
魚から生まれ変わった聖人の手足を持つ人としての喜びを感じたそうです。
”ハタヨガ・プラディピカー”には「毎日習得するならば、消化力を強め、耐え難い病気の集団を破ることができる」とあります。
ポーズごとに神話と重なったポーズの本質があります。
ここでの特徴として、ヨガが特定の神様や信仰に縛られていないこと。
だからこそ世界中の様々な文化や宗教の人たちに受け入れられていると思います。
様々なバックグラウンドの方が集まるクラスでは、この点がとても大事です。
アルダ・マッチェンドラ・アサナ
最近では、ヨガの効果を裏付ける研究がどんどん増えています。
この科学的な知識は、私たちインストラクターにとって強い味方になります。
様々な研究では、定期的にヨガをすると自律神経のバランスが良くなり、
ストレス反応がうまくコントロールできるようになることがわかっています。
長くヨガを続けている人の脳では、不安を感じる部分の活動が減って、自己コントロールを担う部分の活動が高まるんだそうです。
こういった科学的な話をクラスに取り入れると、特に理屈派の方に響きます。
例えば、「この呼吸法をすると副交感神経が優位になって、体がリラックスモードに入ると言われています」と説明すると、取り組み方が変わる様子が見られるかもしれません。
現代でヨガが広まっているのは、その多様性と柔軟性のおかげだと考えます。
私たちは、この多様性を大切にする役割があります。
ヨガの哲学と実践を組み合わせることで、指導に深みが出ます。
ヤマ・ニヤマなどの八支則の考え方をクラスに織り込むと、「マットの上での練習」と「日常生活」のつながりを示せます。
特定の宗教的な表現よりも、「呼吸を感じる」「今この瞬間に集中する」といった誰にでも共通する概念を強調するといいかと思います。
このバランス感覚は、経験を積むにつれて自然と身につくスキルです。
スピリチュアルな要素については、参加者の様子を見ながら少しずつ紹介するのがコツ。
チャクラやプラーナなど科学的に証明されていない概念は、「昔のヨガ実践者たちが体験した感覚を説明するための考え方」として紹介すると受け入れられやすいですよ。
ヨガの本質は、精神的な面と科学的な面の両方を持っています。
私たちは、この二つをつなぐ橋渡し役なんですね。
大切なのは、参加者一人ひとりの目的を尊重すること。
ある人は体を鍛えるためにヨガをしているかもしれないし、
別の人は心の成長のためにヨガを探求しているかもしれません。
インストラクターとして私たちは、それぞれの目的に寄り添うサポーター役であることを忘れないようにしましょう。
結局、ヨガの意味は人それぞれ違います。これはヨガの弱点ではなく、最大の強み!
古くからの知恵と現代の科学、両方の視点を持ったインストラクターだからこそ、ヨガの本当の魅力を伝えられるんじゃないでしょうか。
古代から伝わる知恵を現代に伝える架け橋役を楽しみましょう。