ヨガ情報ニュースサイト・ヨガッコは、ヨガ・ピラティスの学校

Tingsha

2016年2月20日

小笠原 文

小さな宇宙ティンシャ~あなたはどう選ぶ?

【ティンシャ】Tingsha
IMG_2617
 

透き通るようなその音色は、一度聞いたら忘れられない澄んだきれいな音。
自然とリラックスしたり、反対に集中力が増したりと、意識の状態を導いてくれます。

人や物・空間を癒す浄化のアイテムとして。
また、ヨガクラス終わりのシャバアサナのときにも用いられるようになってきました。
認知度や実際に持っている方が年々増えてきています。

では、そのティンシャとは。

どんなものなのか一緒にじっくりとみていきたいと思います。

 

 

ティンシャとは

「チベタンベル」・「チベタンシンバル」とも呼ばれます。

チベット仏教でチベットの高僧・尼僧が用いる法具のひとつ。
旅の危険から身を守る魔よけとしてや、読経や瞑想の際など様々な場面で使用されてきました。
その音は深く澄んでいて、
古来より “人間の心と音とが調和することで強い精神力を生む” と言われています。

人を癒し、場を浄化するチベットの密教法具

機械で作られるものもありますが、職人によって1つ1つハンドメイドされるものは、音の質や響き・浄化のクリアさや波動・聞いたときの体感など、全てが染み込むように伝わってきます。

そして手作りなので当然、右と左でそれぞれの音が微妙に違います。
二つとして、同じ形・同じ音は無いのです。

 

 

ティンシャの材質

しっかりとしたもの (お土産用の安価ではないもの) は、7種類の材料から作られています。

チベット密教の占星術により、それぞれ七つの金属は惑星に関連付けられ、
金(太陽)、銀(月)、水銀(水星)、銅(火星)、鉄(金星)、スズ(木星)、鉛(土星)
に、それぞれ対応するといわれています。

手作りの音の微妙なズレにより、毎秒4~8サイクル間の超低周波が生じ、これが瞑想時に生じる周波数と同じなのだそうです。

・ティンシャは倍音を奏でます。
(倍音=ひとつではない、倍の音を同時に鳴らすこと)

・波の音や太陽の木漏れ日・炎のゆらめきなど自然界に存在するリラックス音「1/fゆらぎ」を含んでいます。
それにより脳波がα波になり瞑想状態に近づくことが科学的に判明しています。

 

※「1/f ゆらぎ」=規則的でありながらも不規則なもの
(例:川の流れの音は同じ音ではなく、不規則な音が規則的に流れている…等)

 

 

購入するときの注意点

インターネットなどの通信販売ではなく、お店で売られているティンシャを実際手に取り、音色を響かせて自分に合う音を探してみることをおすすめします。

なにより大切なのは、そのもの(ティンシャ)と自分が合っているかどうか。
波長が合うかどうかの感覚が一番の決めてとなります。
ティンシャひとつひとつから放たれる波動は全く違うので、これだ!という直感を信じ、ピンときたものを選ぶと良いでしょう。

 

 

どんなときに使うか


  • お部屋や空間の浄化に。
部屋の4隅で1度ずつ鳴らして、部屋を浄化します。
ヨガクラスの始まる前に使用すると、真っさらでクリアな空間をつくれます。
(場の浄化の場合は、部屋の4隅で1度ずつ鳴らし、その4つの音が共鳴して1つになっていくほど、より場が浄化されているサインになります)
  • 意識をクリアにしたいとき
  • 集中させたいとき
  • 心を落ち着かせたいとき
  • 気持ちを切り替えたいとき
  • 前向きな姿勢にもっていきたいとき
また、瞑想やヨガのクラス後などの、意識が高まり覚醒状態になったものを、『今・この瞬間』へと呼び戻すグラウンディングとしての役割もあります。

 

 

鳴らし方

ティンシャの鳴らし方は主に三通りです。

□くみひもを持って

両手で垂直にくみひもをもちます。
力を抜いて水平に保ち、そのまま静かに ティンシャの側面のエッジの部分があたるように、そっと打ちます。
音色が長く続く使い方です。

※右と左で微妙に音が異なるので、3種類のやり方があります。
1つ目:右側を固定したまま、左側だけを動かし右側にあてる。
2つ目:上記の反対。左側を固定したまま、右側だけを動かし左側にあてる。
3つ目:両方を同時に動かし、中央で当たるように打つ。

 ティンシャ13

 

□安定感のある鳴らし方

ティンシャを上下にクロスするように持ち、下のティンシャを土台にして、
上に持ったティンシャをゆっくりと下にあてて鳴らします。
紐を持つよりもブレがなく、音の強弱もコントロールしやすいです。

ティンシャ8

 

□シンバルのように

両手でティンシャの表面の付け根をもち、裏面をあわせるように、そっと打ちます。
どちらかの手を固定して、反対の手でそっとシンバルのようにあてます。

 ティンシャ9

 

 

音を鳴らす際の気持ちの在り方

ティンシャから奏でられる音には、その人の心の状態が表れると言われています。

■音=波動

波動はわたしたちの身体のエネルギー体に反応します。
つまり、直接身体に触れているのと同じこと。
不安や迷いのあるとき、それがそのまま音となって空間や人へ渡ってしまうので、鳴らす側の内面の状態はとても重要です。

かといって『癒そう』とか『上手に鳴らさそう』なんて思う必要はありません。
それは個人の感情を押し付けるようなもの。
ただ穏やかに、ものの良し悪しもない中立した視点で、ティンシャから放たれる波動の “橋渡し的存在” でいることがとても大切です。
特にヨガクラス後の意識は、感情を超えたところ・あるがままの状態になっていると思います。
そこに鳴らす人の感情を入れてしまうと、波動のズレや違和感が生じてしまうのです。

ティンシャのもつ音が何にも邪魔されずそのままのクリアな波動が響き渡り、その音を受け取るひとりひとりが自分に合う最善の波動を 自然と自ら受け取っていくでしょう。

瞑想2jpg

*心を落ち着かせ、自分の感情が入らないよう『無』の状態であればベスト。
*重心を下に降ろし、しっかり大地と繋がる。
*ティンシャを持ち、その手から繋がるティンシャが身体の一部になったかのようにイメージ。
*ティンシャの先に意識を向け、ゆっくり丁寧に鳴らす。
*鳴らした後のティンシャは、そのままじっとしていても良いですし、空間に広がるよう丸く円を描くように動かしてみてもOKです。

 

 

模様

いくつかの模様があります。
見た目で選んでもいいですが、どんな意味が込められているか知った上で選んでみてもいいと思います。

●無地
何にも属しない「無」
俗にとらわれないシンプルさがあります。

ティンシャ

 

●マントラ

「Om Mani Padme Hum」(オンマニペメフム)と観音菩薩のマントラの刻まれたものです。
そのまま訳すと『蓮の花の宝』。

観音菩薩は蓮の花の上に居る様子を描かれています。
観音菩薩=サンスクリット語でavalokitasvara(アヴァローキテーシュヴァラ)
=「すべてを見通すことができる」あるいは「あまねく光照らすもの」という意味。
(ava-lokita-isvara)
3つの部分に分けることができます。
ava + lokita + īśvara
ava = 離れて・遍く(あまねく)
lokita = 見る
īśvara = 支配者・統治する者・神・宇宙の現象の全て
伝統的には、一度このベルを鳴らすことで、観音のマントラを唱えたことになるとも言われています。

~観音菩薩のマントラ~
徳を積むことにより、苦しみから抜け出し、悟りへの道が開かれると信じられています。

 ティンシャ11

●八つの吉祥紋様 (八吉祥)

吉祥紋様(きっしょうもんよう)とは、縁起がいいとされる物を描いた図柄のことです。
チベットでは「タシタゲ」と呼ばれています。
それぞれの模様には意味があり、縁起が良いモチーフとして寺院の入口や一般家庭・町の至る所に描かれたり飾られたりしています。

 ティンシャ5

  • 宝傘・・・平安をもたらし、危害から守る力を持つ。
  • 法輪・・・ 仏教の教えを回転させて広める
  • 旗  ・・・煩悩を取り除く。仏教の勝利の宣言
  • 瓶  ・・・不老長寿の甘露が入った瓶
  • 巻貝・・・仏教の勝利への導き、名声を広めるなども意味する
  • 魚・・・ 富を表す。精神の解放
  • 終わりのない結び目・・・ 仏教の無辺な慈悲の教えを表します。
  • 蓮の花・・・ 無垢の慈悲。

ティンシャ7

八吉祥

●ドラゴン模様

「竜」は仏陀が天上と地上を往復するための生物とされていています。
天空を行き交う煩悩を打ち砕く意味があります。
滝を登ることから、出世や権力の象徴とされており、身に着けることで才能開花や自己向上の手助けをしてくれると言われています。

 

ここに紹介した他にもいろいろな模様・色・大きさがあります。

 

~小さな宇宙のような癒しの法具。
どこにでも持ち運びができるので、旅行先のお部屋の浄化や、出先で気持ちを落ち着かせたりなど、様々な場面で重宝します。
自分とぴったり合う素敵なティンシャと出会えますように!

 

 

 *おまけ*

ティンシャと同じような目的で使われるものとしてひとつご紹介します。

【クリスタルチューナー】
天然石のクリスタルに、チューナーをあてて音を出します。
チューナーは4096Hzの音が出るようになっています。
4096Hz=9オクターブは、“天界の扉を開く音” “地球振動と共鳴する音”とも言われています。

 

○音の効果
・音の振動が、滞ったエネルギーをクリアにします。
・澄んだ音の響きがチャクラにも作用して、心身のバランスを整えます。
・クリスタルのもつ柔らかで安らぎのある波動も、同時に空間に伝わります。

○使い方
クリスタルの根元部分の角になっている箇所と、チューナーの角になっている箇所を優しくあてて音を出します。
あてる強さにより、音の強弱ができます。
鳴らしているとき、クリスタルの先端からは最も強く波動が出てくるので、水や天然石などに向けて浄化させるという目的で使用されることもあります。

チューナー2

クリスタルチューナー

The following two tabs change content below.
小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

Page Top