2015年7月18日
小笠原 文
前回『シンギングボウルって?』に引き続き、特徴についてひとつずつフォーカスしてみたいと思います。
まず、
~振動について~
音は空気を伝わり耳へと届き聞こえてきます。
空気を伝わるその過程が“振動”。
シンギングボウルの振動はとても細かく微細なものです。
超音波の振動とたいして変わらないとイメージしてみてください。
振動が細かければ隅ずみまで響き、遠くまで届けることができます。
振動することは、元へ元へと正しい場所へと戻ろうとする働きを助け、促すチカラがあります。
□皮膚からの振動
皮膚に触れた振動は、直接皮膚細胞へと響きます。
肌のキメも振動により整ってきます。
傷口へと振動すれば、回復するための機能が活性されます。
さらに皮膚から内部へも響き、筋肉や骨にまで振動を与えます。
固くなった筋肉は少しずつほぐされ、骨格は正常な位置へと動き始めます。
シンギングボウルの振動をしばらく浴びていると頭蓋骨や骨盤周りの骨が動いているのを感じられることもあります。
□水分への振動
空気に伝わる効果もありながら、もう一歩奥へと響く特徴が、
シンギングボウルの振動は“空気よりもさらに水分によく反応する”ということ。
わたしたちの体は、赤ちゃんで約80%、成人で約70%の水分を含んでいます。
シンギングボウルの音色は耳で聞いているよりも、もっと多くの振動がその水分へと届くことができるのです。
*上の写真は、シンギングボウルの中に直接お水を入れ、縁をこするようにして音を出したときの様子です。
それほど多くは鳴らしていませんが、細かい水の粒が飛び跳ねていることが分かります。
これ以上少しでも多く鳴らそうとすると水は次々に外へと跳ね上がり軽い噴水のような状態になっています。
音の振動が伝わったとき、これと同じことがからだの中で起こっていると思ってください。
・液の滞りを和らげスムーズな流れへ。
・身体中に網目状に広がるリンパ液も振動しからだのむくみを抑える効果。
・内臓や腸に含まれる水分にも響き、機能を活発にさせる効果。
細胞の中に含まれる水分にさえ振動を与えることが調べにより解明されています。
体内の細胞レベルでひとつひとつが振動することで活性化し、自然治癒力・免疫力が高まるのです。
前回でもお話しした、欧米で医療分野にも用いられているのは、この振動の力に注目し細胞自体を健康なものに変化できるのかという研究もされているそうです。
□エネルギー体への振動
また、振動するのは体だけではありません。
みえないからだ、エネルギー体にも同時に振動は伝わります。
シンギングボウルは波動が高いというのを前回ご説明いたしましたが、それがエネルギーという目にはみえないもうひとつの大事なからだへと届けることができるといわれています。
体内のエネルギーへは、センターとなるチャクラの動きを活性させます。
そして、肉体であるこの体の周りには何層にも重なったエネルギーの体も存在します。
そのエネルギー体と肉体は繋がっていて、どちらかを整えたとしても同時に両方を整えたことと同じ効果が得られます。
からだから発するエネルギーをクリアな状態へと導き、こころも身体も同時に癒すことのできるシンギングボウル。
ヒーリングやセラピーでは主に、このエネルギーへの働きかけに重点を置いています。
体の上にタオルなどを敷き、そこへ直接シンギングボウルを乗せた状態で音を鳴らし、振動を直接からだへ響かせるというヒーリング法があります。
そのときのからだの不調具合で振動も変わり、整っていくごとに響き方も変わっていきます。
骨の振動もよくわかり、第三者が施術を受けているひとのからだに触れてもその振動を感じとれるほど。
また、からだの上ではなく、周りからソフトに音の振動を与える方法もあり、からだやこころの状態でどうアプローチするのかひとりひとりに合わせて行うことが出来ます。
シンギングボウルは音を“聴く”というより、からだの表面から内部までと全体で“浴びている”という言い方のほうが合っているかもしれません。
耳からも、皮膚や細胞・からだ全体でその響きを体感してみてください。
次回はもうひとつの特徴『シンギングボウルって?その3~音の謎~』に触れてみたいと思います。