日常生活を送る中で、なんとなく心がすっきりしない
「モヤモヤ感」を抱えた経験はありませんか?
多くの女性は、家庭や仕事、社会的な役割の中で
「やらなければならないこと」と
「本当はしたいこと」
の狭間で揺れ動き、知らず知らずのうちにこの曖昧な感覚を抱えがちです。
特に女性は、共感力が高く、
細やかな感情をキャッチする力がある一方で、
他者や環境に配慮しすぎて
自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。
その結果、原因がはっきりしない「モヤモヤ感」が心に残り、
ストレスや自己否定感につながることも。
こうした感覚をどう解消すればよいのでしょうか?
「やりたくないことの解像度を上げる」
自分がやりたくないと感じていることについて、
曖昧な感覚や漠然とした拒否感のままにせず、
その理由や具体的な状況を深掘りして明確化することを指します。
実は、ヨガ哲学には「モヤモヤ感」を理解し、
それを手放すためのヒントが詰まっています。
ヨガ哲学の智慧を紐解きながら、
モヤモヤ感との向き合い方を考えてみたいと思います。
アヴィディヤ(無明)— モヤモヤ感の正体を知る
ヨガスートラでは、「アヴィディヤ(無明)」という概念が登場します。
これは、物事の本質を正しく理解できていない状態を指します。
「モヤモヤ感」は、この無明に近い状態と言えます。
たとえば、なぜ嫌だと感じているのかを深掘りせず、
「ただなんとなく嫌」という感覚のままにしておくと、
原因が曖昧なままモヤモヤが心に留まり続けます。
この状態を解消するためには、
まず「モヤモヤ感」の正体を明確にすることが重要です。
紙に書き出すことをお薦めします。
自分が感じている不快感や曖昧さを一つずつ言語化し、
「なぜそう感じるのか」を探る作業を行いましょう。
紙に書き出すことで、頭の中が整理され、
モヤモヤの具体的な原因が見えてくることがあります。
チッタ・ヴィクシェーパ(心の動揺)— 心を静める方法
ヨガ哲学では、心が安定していない状態を
「チッタ・ヴィクシェーパ(Citta Viksepa)」と呼びます。
心が忙しさや感情に振り回されると、
「モヤモヤ感」として表面化することがあります。
このようなとき、内なる静けさにアクセスするための実践として、
「呼吸」や「瞑想」が役立ちます。
たとえば、腹式呼吸。
ゆっくりと息を吸い、さらに長く息を吐くことに集中することで、
心の動揺が収まり、冷静に物事を見つめることができます。
瞑想では、「今、この瞬間」に意識を向けることで、
過去や未来への執着を手放しやすくなります。
プラティパクシャ・バーヴァナ — ポジティブな視点を持つ
ヨガスートラでは、ネガティブな思考や感情に対して
「プラティパクシャ・バーヴァナ(反対の思考を育てる)」
という教えがあります。
モヤモヤ感を抱えたとき、
それが自分にとってどのような学びや成長につながるかを
考える視点を持つことが勧められます。
たとえば、「仕事がつらい」という感情を感じた場合、
その感情が「何を自分に伝えようとしているのか」を内省してみます。
「自分には休息が必要なのかもしれない」
「もっと自分らしい働き方を探るきっかけかもしれない」
といった気づきが得られるかもしれません。
「モヤモヤ感」は、一見すると不快な感情ですが、
自分を見つめ直し、新たな気づきを得るきっかけにもなります。
モヤモヤ感に振り回されるのではなく、それを受け入れ、
自分自身を理解するための大切なサインと捉えてみましょう。
ヨガの実践を日常に取り入れることで、
心が軽やかになり、より自分らしい生き方に近づけるかもしれません。
「ぼんやりしたモヤモヤ感」を霧の中から引き出し、
形や色を認識できる状態にする作業です。
それにより、自分の行動や選択を
より意識的にコントロールできるようになります。
あなたの心に平穏と気づきが訪れますように。
The following two tabs change content below.
東京都内各所で
ヨガスタジオ、スポーツクラブと活動をしております。
ヨガのポーズだけにとらわれずに
「みんなで楽しい」
と感じてもらえる雰囲気を大切に。
ヨガが「変化と成長」への起点になればと思ってます。