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「素敵な、男性インストラクター」

2/3  中村尚人 の歩む道に、触れてみる

の歩む道に、触れてみる

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  • ヨガインストラクターとは、どんな存在であるべきでしょうか?
 

ヨガインストラクターとは、どんな存在であるべきでしょうか?

自分の“役割”を感じとり、自分にしかできない“使命”を果たす。

 
[ヨガッコ] ではここからは、尚人先生の現在のことについてお話聞かせていただきたいと思います。
まず、なんといっても「理学療法士」というバックグラウンドがキーワードだと思っているんですが・・・
[ナオト] そうですね、僕はもともと理学療法士だったんですが、僕ね、一時停止を取り締まる警官がすごいむかつくんですよ。
[ヨガッコ] ?、ど、どうしました?
[ナオト] なんか、どこにいるのかわかんないで、じっと見ていて、コトが起こってから突然出て来て取り締まるでしょ?むかつくでしょ。
[ヨガッコ] は、はい。ケンカしている人も多いですよね。
[ナオト] そうなんだよ。でもこれって、冷静に考えたときに、病院で待っていることって、実はこの警官と一緒なんじゃないかって思ったの。
[ヨガッコ] あ、なるほど。痛くなってから来る人に対して何かを施すということが、コトが起こってからの取締と同じなのではないかと、そういう意味でしょうか。
[ナオト] そう。病院に居た自分が一緒なんじゃないかって思ったんです。
例えば、通勤で病院に向かう電車に乗ってて、目の前で立っている人の膝をみて、 ああこのままだとこの人、将来痛めてしまうなってやっぱりわかるものなんですよ。
でも、声かけますか?「あなた、その膝危ないよ。多分靴が合ってないから見せてみて。」って言えないでしょ?
[ヨガッコ] 知らない人にいきなりは、難しいですよね。。
[ナオト] 声をかければ予防ができるかも知れない、でも、声はかけない。
これはもう、一時停止の警官と一緒だと気づいて、病院に居られなくなったんです。 この経験がまずベースになってます。
[ヨガッコ] 冒頭から、はっとさせられました。気づきと言いますか、確かに。
[ナオト] それでね、「予防」っていうことに注目し始めたんですよ。
でも予防やろうと思っても、理学療法は開業権がないし、リハビリは予防ではないじゃないですか。
それでその時やっていたヨガやピラティスが、予防に最適なんじゃないかなって思ったんです。 そこでアメリカとかみてみたら「ヨガ・ピラティススタジオ」っていっぱいあったりして、ああ、あのスタイルだって独立したのが6年前です。
[ヨガッコ] そんな背景があったんですね。予防としてのヨガ・ピラティス、興味深いです。
[ナオト] 6年間、ヨガやピラティスの業界でやってきて、ヨガの本を書いたり、自分のピラティスメソッドとかも作ったりしてきました。
そして今ここへきて、「側弯症」という世界に触れるきっかけがあったんです。
[ヨガッコ] 側弯症・・・病気、と言っていいんでしょうか。テレビなどで目にしたことはあります。
[ナオト] 病気なんだけど現在のところは保険適応にならないものなんです。
日本では、「治らない」という通説が通っています。治療の仕様がなく、悪くなったら手術しかない。 だから、リハビリや運動療法を専門でやってきた僕らは病院にいてもあんまり診たことはなかったんですね。
でも、知り合いの娘さんが側弯症で、診てくれってお願いされました。
最初は難しいと断ったんだけど、やっぱりモヤモヤして、調べていったら、ドイツに運動療法があったんです。しかも保険が効く。 そこは2~3週間の合宿で、運動を通して改善させることで、できるだけ手術を回避するという、いわゆる保存療法なんだけど、日本には保存療法はまだなくて、すぐ手術になってしまうんです。
これっておかしいと思いませんか?
[ヨガッコ] そうですね、あると言われているものが所変わればないというのは、なんだか理不尽に感じます。
[ナオト] だから僕はドイツでその資格をとったんです。シロスセラピストという資格。
それで今は側弯症にかける時間が、実はヨガより多くなっています。 もともとがセラピストだから、楽しいっていうのはあるんですよね。
[ヨガッコ] そうだったんですね。でも、側弯症の方にとってはすごい味方というか、日本の医療が変わるくらいの大きいことをなさっているんですね。
[ナオト] 僕はもともとの考え方に、役割論にたっているようなところがあって、生きていることに使命感を感じるっていいことだなって思っていたりします。
使命って、「命を使う」と書きますが「使われる命」って捉えるとまた少し変わりませんか? 使われた方が、生きがいってあるんですよね。自分で命を使うより、使われた方が。
[ヨガッコ] その点で言うと、側弯症の世界に向かうことが、ご自身の今の役割だということでしょうか。
[ナオト] 『ヨガの解剖学』という本を出した時、あの本が僕の処女作なんですが、その当時はヨガに解剖学という考え方はありませんでした。
だから、理学療法士の僕がそういう本を書くのは役割だと思ったし、やってきたけど、最近は解剖学の視点からヨガを語る人は増えましたよね。だから、もう僕じゃなくていいなって思えています。
その点、側弯症は誰もやっていない。でも困っている人は山のようにいます。
そうすると、僕の次の役割はそこかなって思っているんです。
[ヨガッコ] 山のように・・・そんなにいらっしゃるんですね。
[ナオト] 講座をやるとすぐに満席になります。なにより、情報がない状態なんです。
だからまず、日本の中で正しい情報を発信することから始めています。ドイツのそのケースの本を出したり。 でもどんどん調べていくと、ドイツにはないけど、日本にはある情報とかもあります。
それらを加味していきながら、側弯症で困っている人に正しい情報を届けることがまず目標。 そして、彼らができるセルフプラクティスを作りたいとも思っています。 軌道に乗るまで3年くらいはかかるかな。今はそこに力をいれているんです。
[ヨガッコ] そうだったんですね。感動というか感嘆というか、圧倒されていますが、ひとつ気になることが・・・

ヨガの方はどちらかというと少しフェードアウトとなっていくということでしょうか。
[ナオト] んー、みんなバックグラウンドがそれぞれあって、音楽や美容や、様々なカルチャーからヨガに入って来てますよね。
そこでいったんヨガにはまったら、どっぷりヨガに入っていくなって思っています。
僕もしっかりはまってやっていたんだけど、自分の役割ではないかなって今は感じているんです。
[ヨガッコ] 使命が少し違ったということでしょうか。
[ナオト] 極めようと思ったら極める先は見えています。
例えばヨガだったらインドの大学に行って学ぶとか。 それは見えているんだけど、これは僕ではないのかなって。やっている人がいてくれてるし。 でも側弯症の今の現状を社会に対して問題提起している人って、他に居ないんです。

そこに気づいたということは、やれってことだなって、少しずつシフトしているんですね。 ヨガは続けますよ。続けますが、これ以上は深めないと思います。
[ヨガッコ] なるほど、納得できました。

深めないと言っても、これまで築いてきたことが尚人さんの場合はすごく大きいので。 ヨガの世界に与えてくださった考え方や知識に、ヨガをやるひとりとしてとても感謝していて、ちょっと寂しくなったところはありますが・・・
個人的な話、『ヨガの解剖学』は、わたしがインストラクターになって初めて買った本だったりもして。。
[ナオト] ああ!あの本ねー、内容古くなっちゃってねー、そろそろバージョンアップが必要だけどねぇ。笑
[ヨガッコ] ふふ。でも尚人さんのそのための時間は、今は側弯症なんですよね。であればわたしは、今や数ある解剖学視点のヨガの本とかけ合わせながら学び続けていきますね!
では、「ヨガシナジー」は?シナジーも確か日本で正式指導者は尚人さんと数名しかいらっしゃらないかと。
[ナオト] シナジーも続けますよ。次のトレーニングは2ヶ月なんですが、それは行ってきます。
[ヨガッコ] ヨガシナジーへのシンパシーはどういうところにあったんですか?
[ナオト] ヨガの流派って色々あるけど、理学療法士の観点からみて納得できないことって実は結構あります。
ヨガシナジーは理学療法士が作ってる流派ですから、理学療法士が聞いても素直に納得できる。シンプルです。
ましてや、シナジーには太極拳・ダンス・ヨガの要素が解剖学の視点からミックスされているんですが、僕は太極拳もやってましたし、ダンスはやってないけど、ヨガもわかったので、フィットしたんでしょうね。
だから創始者であるサイモン・ボルグ・オリビエが言っていることが理解できるのって、僕だけだと思いました。 日本で広げるなら、それは僕の役割だと思ったんです。
[ヨガッコ] 実は受けさせてもらったことがあるんです。尚人さんのヨガシナジー。
[ナオト] そうなんだ!かわってるでしょ?
[ヨガッコ] はい、途中で諦めました。笑
[ナオト] 僕も時間はかかりましたからね。でも、僕しかいないと思って続けてて、気づいたときには好きになってた。
きゅんときたんだろうね。恋愛みたいだね。笑
[ヨガッコ] それはもう離れられないやつですね!安心しました。笑

これからも尚人先生のヨガクラスがなくならないと安心したところで、次からは尚人先生がみるヨガの〈未来〉のお話を聞かせていただきたいと思います。
 

 

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■ 中村尚人

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