ヨガ情報ニュースサイト・ヨガッコは、ヨガ・ピラティスの学校

Immunity

2018年12月27日

小笠原 文

免疫力を知る

日本の四季の中では冬が一番乾燥が強く、風邪やインフルエンザ等流行りだしますが、
冬に限らず日常に飛び交うさまざまなウイルスや細菌に対して
自らの力で戦うことのできる『免疫』について、みていきたいと思います。

免疫は、すでに私たちの体に備わっている機能のひとつです。

自分で自分を守るちからである、『免疫力』を高めることができれば、
副作用の心配なく様々なウイルスから身を守ることができます。

免疫は20代を過ぎると徐々に約2〜3%ずつ衰えていくので、高齢の方の免疫力が弱いのはそのためです。
また、生まれたばかりの赤ちゃんは、
しばらくは母親からもらった免疫をつかってウイルスに対応できていますが、
生後6ヶ月あたりを過ぎる頃にはその免疫も少なくなり、病気に感染しやすくなります。

 

⚫︎2つの免疫

免疫には、大きく分けて、
「自然免疫」と「獲得免疫」という2つの機能があります。

◯自然免疫
わたしたちの体に、すでに備わっている免疫反応のことです。
体内に入ってきたウイルスを排除しようと、真っ先に対応します。

◯獲得免疫
自然免疫で排除できずに残ったウイルスに対して起こす、免疫反応のことです。
今までに出会ったウイルスを記憶し、どう対処すればよいかを定め、排除します。(「抗原の記憶」とも呼ばれます。)
一方、初めて出会ったウイルスには、
約1週間かけてどう対処すればよいかを考える準備期間が、必要となるようです。
そうして記憶を増やしていくことで、免疫力は高まっていきます。

>自然免疫と獲得免疫の役割り
こうしてみてみると、自然免疫の力不足で対応しきれないものがあるように思えますが、近年それだけではないことがわかってきました。

自然免疫は、“わざとウイルスを残し、獲得免疫に記憶させる” ということを、
あえてしているようです。
記憶が残れば残るほど、対応できるウイルスの種類が増え、
病気になりにくい体にしていくためです。

 

⚫︎免疫力を高めるには

上記のように、あえてさまざまなウイルスにかかる必要はありません。
本来の力である「自然免疫」を高めて、
その力が十分に発揮できるよう整えておくことが日々の健康に繋がります。
免疫力は変動しやすく、
激しい運動、疲れ、夜更かしや体内リズムの乱れ、精神的負担などによって低下します。

それでは、何に気をつけたら良いのかをみていきましょう。

 
◯適度な運動
やはり運動というものは、体内機能に良い影響を与えてくれます。
しかし、やり過ぎるのは禁物です。
からだに負担のかかるほどの運動は、損傷したからだを修復することに多くの力を注いでしまうため、かえって免疫力を下げてしまう恐れがあるので気をつけましょう。

ヨガは、運動量を選べるスタジオも多いので、
そのときの体調に合わせてうまく取り入れてみましょう。
呼吸法によって自律神経も整い、心身ともに健やかに保てます。

 
◯筋力アップ
リラックス度の高い運動も良いですが、程よく筋力にアプローチする動きも効果的です。
筋肉は体温をアップし、基礎代謝を高めてくれます。

免疫も、細胞です。
新しく生まれては古くなって排出される、ということを繰り返しています。
血流がよくなると、免疫細胞を作りだすための栄養も巡りやすくなり、新しい細胞を次々と生みだすことができます。
結果、免疫力が高まっていくのです。

また、
20分〜1時間程度のウォーキングも効果的だそうです。
通勤や通学、お買い物の際など、ちょっとしたときにできそうですね。

 
◯質の良い睡眠
睡眠不足の人は、しっかり寝ている人に比べて
風邪を引く確率が5倍も高くなるようです。

しかし、ただ眠ればいいというわけではなく
“質の良い睡眠” が必要となります。
体内リズムを整えるため、なるべく10時頃には布団に入るようにしましょう。
心身が安定して眠ることで、ホルモンも正常に分泌し、栄養が細胞へ届きやすくなります。

また、免疫細胞は体温が高くなると活動も活発になります。
風邪をひいているときに温かくして眠ると治りやすいのは、このためです。
体温が36.5〜37.0くらいが、一番免疫力が上がるようです。
温かくして早めの就寝を心がけましょう。

免疫コラム
◯自律神経にメリハリをつける
上記であげた、“質の良い睡眠”と繋がりますが、
ストレスを抱えたままだったり、昼夜逆転したような生活リズムでは自律神経のバランスは崩れてしまいます。
たとえ8時間眠ったとしても“良い睡眠”とはいえず、
交感神経が高まったままの睡眠では、免疫細胞が作りにくいのです。

良い睡眠を取るためには、1日のなかでメリハリをつけると効果的です。
昼間は交感神経が高まるので適度に活動し、
夕方から夜になるにつれて副交感神経が優位になるため身体を休める
、という
人間の正常なリズムが大切なのです。

免疫細胞の一つであるリンパ球は、
交感神経の働きが落ち着くとより多く血液中に放出され、ウイルスなどの敵と戦ってくれます。

 
◯腸内環境を整える
免疫細胞の約70パーセントは、腸に集まっています。
(「腸管免疫」とも呼ばれます。)

腸は大人で約7〜9メートルあり、そのうち小腸は5〜7メートル。
ここにあるひだ(絨毛)で、約90パーセントの栄養を取り込んでいます。
ひだのすき間には「パイエル板」というリンパ球の集合体があって、強い抗体を作り出す免疫細胞が多く集まっています。

ひだでは吸収されない細菌やウイルスは、パイエル板に取り込まれ、排除されます。

IMG_6681

※画像参照(http://ruo.mbl.co.jp/bio/product/allergy-Immunology/article/gut-immunity.html)



 
◯笑顔で免疫力アップ
笑顔や笑いは脳に興奮が伝わり、免疫力を高めるホルモンが分泌。
ホルモンは血液と一緒に全身へ届けられます。

反対に、気分が落ち込むと免疫力は低下し、プラーナや生命エネルギーも巡りにくくなります。
感情はとても大切ですが、必要以上の落ち込みは負の循環を引き起こすので気をつけましょう。

呼吸を整え、自身の内側を観察し、やるべきことがわかったら、
顔を上げて空を見たり、深呼吸したりして
顔の筋肉を解いていきましょう。

 

 

人間の身体には、合わないものと戦う力「免疫」が備わっていますが、
過度に反応しすぎるのは“花粉”や“アレルギー”などの症状を引き起こします。

どれも、適度な状態が理想ですね。
日々のちょっとした心がけからはじめ、安定した生活習慣をつくっていきましょう。

The following two tabs change content below.
小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

Page Top