クンダリーニヨガでは内臓やホルモン、神経など身体に働きかけることを意図する練習法以外にも、感情や思考に直接働きかける練習法があります。
そして更に人間の存在を多角的に捉え、エネルギーレベルの体であるオーラやチャクラ、身体に流れるエネルギーの道、ナーディなどをテーマにした練習法も豊富です。
そんなクンダリーニヨガでは、身体解剖学と同様にヨガ的解剖学を重視しています。ティーチャートレーニングのレベル1の段階で、このエネルギー的側面の解剖学を学びます。
人間の体は楽器のようなもの。
楽器としての私達には72本の弦があります。
ひとつひとつの弦はプラーナ、生命の気を運ぶ役目を担っています。
72本の弦は、3本の中心となる弦によってコントロールされています。
脊髄を中心として左にあるイダ、右にあるピンガラ、そして真ん中にあるシュシュムナです。
イダは仙骨の左側から脊髄を螺旋状に旋回しながら左鼻孔につながっています。
ピンガラは仙骨の右側から旋回しながら右鼻孔へとつながっています。
これら3本の弦をまとめひとつにした、仙骨から脊髄を通り頭の一番天辺までの中心となるエネルギーの通り道シュシュムナには、プラーナが出入りするゲートウェイがあります。
このゲートウェイはエネルギー(気)のセンターでもあり、絶えず回転しています。
チャクラはエネルギーの渦巻き。
古代のヨガの達人や瞑想を深めた人々の第3の目には、旋回する渦巻きのように感知されました。
そのことから、古代インドの言葉であるサンスクリット語で「車輪」「円盤」を意味するチャクラと名付けられました。
シュシュムナに沿い垂直に、7つのエネルギーセンターがあります。
それぞれのエネルギーの渦巻きは、身体から前後にオーラの層すべてを突き抜け広がっています。
チャクラの旋回は、私達の感情、思考、認識、選択、さらには顕在意識と潜在意識の関係によって影響を受けます。
例えばある感情を押し殺しエネルギーが停滞すると、チャクラの回転は不活発になります。
反対に、例えば否定的思考にとらわれ神経過敏な状態は、チャクラが過剰に回転している状態と言えます。
チャクラの生理学的つながり。
チャクラは健康を保つ機能に深く関わっています。
7つのチャクラは胴体の一番下から頭の天辺にあり、それぞれの部位にある身体器官、分泌系、神経系組織につながっています。
感情や精神的状態が健康に影響を及ぼすことは、一般的にも浸透した観念となっていますね。
一番下にある第1チャクラは排泄器官や小腸、大腸、直腸につながっています。
ある感情で第1チャクラが不活発になると、腸の働きが悪くなり、排泄が滞るといったことが起こりうるのです。
従って、チャクラのバランスを整えることで感情、精神に調和が醸し出されると、身体の機能がよくなるという連鎖的影響が及ぼされます。
チャクラは意識のセンター。
人間というのは、複数の次元を持った存在です。
身体は物質であることから、私達はまず3次元的存在ですね。それでは感情や思考はどうでしょうか。
感じること、精神的なことは触れたり、視覚的に捉えることはできませんが、私達の内外に存在しています。
私達は同一の時間という概念の中で生きていますが、心が過去、現在、未来へと向う時、私達はその特定の時間にいるということが言えます。
チャクラはこうした心の作用や精神的な人間の側面に深く関わりを持っています。
それは私達の通常の意識である顕在意識、癖やパターン化し隠されている無意識である潜在意識にもつながっています。
チャクラは様々な意識の性質と、成長へのテーマを含有しています。プラーナを体へと注ぎ込み、身体、感情、思考、霊性を育みます。
そして、生まれて成長していく過程そのものが、チャクラの発達にも大きく関わりを持っているのです。
シンボル的チャクラ。
7つのチャクラの旋回は、それぞれ特有の周波数で振動しています。その各波動は、7色の色の周波数に対応します。
第1チャクラは赤色、第2チャクラはオレンジ色と虹の階段を登るように続き、第7チャクラは紫色として表されます。
第1チャクラから第5チャクラは、宇宙を構成する5大要素である「地」「水」「火」「風」「空」に対応すると考えられています。
この古代インド哲学の基本をなす5大要素を、サンスクリット語でタットヴァ(tattva)といい、原理、実在、真理を意味します。
私達がこの世界に実在する真理を、肉体的な面を支える要となる第1から第5チャクラは表しているといえます。
第6と第7チャクラはタットヴァを超えた、より微細な性質のエネルギーにつながっています。
クンダリーニヨガではその性質を「光」として定義しています。
チャクラはホリスティク。
人間という存在は、身体のパーツが集まってできた存在ではありません。身体、心、精神、魂がひとつとなった存在が人間です。
私達は世界の中で関わり合い、影響を与え与えられながら生きています。
チャクラも同じです。
すべては調和を奏でるように働き合う、全体的視野と理解がチャクラには求められます。
ひとつひとつのチャクラの生理的つながり、意識の層、性質は、互いに作用し合っています。
チャクラはさらに大きなサイクルでの進化と発達の段階的移行のすべての段階、そのものなのです。
第8チャクラ。
クンダリーニヨガでは「10個の体」のひとつでもある「オーラ」を、第8チャクラとして定義しています。
エナジーヒーリングの世界で、オーラは7層あるとされていましたね。
この7つの層はそれぞれ、身体に一番近いところから第1チャクラ、そして一番外側の層が第7チャクラといったように対応しています。
オーラの各層のエネルギーを伝達するのがチャクラであると、エナジーヒーリングでは言われています。
クンダリーニヨガではオーラはすべてのチャクラが統合されている場とされ、色の特質では白色に相当します。
光のスペクトルでは、白はすべての色を抱括しています。
オーラには全チャクラのすべての情報が投影されるのです。
チャクラは動物にも存在しますが、そのバランスを整えたり調整したりできるのは、私達人間に与えられた贈り物です。
これは特別なものではなく、自分で自身に対して行うことができます。
次回はチャクラを経験する「実技編」として、各チャクラに対応するエクササイズやアサナを紹介してゆきたいと思います。
冒頭で私達の体を楽器にたとえました。
楽器を調律するようにチャクラの回旋する波動を整え、美しい響きを奏でながら生きてゆきたいですね☆
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エナジーヒーリング、カフナボディワークなど、心、体、スピリット、魂を揺さぶる全てをライフワークとして従事。そして、それらをシェアすることをこよなく愛する、KRI認定クンダリーニヨガ講師。
ヨーガ仲間より「ゆきゑ節」と称される剽軽な喋りは、クンダリーニヨガを教える時に「世界の美しい宝石をちりばめた言葉」へと変容し、深いジャーニーへと皆様を誘います。