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2018年3月1日

romi

あの本を読んでみる⑤ モモ

momo

恥ずかしながら、私はつい最近までこの作品を知りませんでした。

長男の学校でこのお話の演目があり、物語のさわりを聞いていたら、
私はまるで時間泥棒のようだと思い、自分への戒めのために読みました。

時間泥棒は床屋のフージーにこのようなことを伝えます。

「あなたははさみと、おしゃべりと、せっけんの泡とに、あなたの人生を浪費しておいでだ・・・毎日あなたは、お年よりのために丸一時間も使っている・・・耳の聞こえないお母さんをあいてに、おおしゃべりをする。これは無駄に捨てられた時間です。・・・映画に行く・・合唱団の練習に行く・・・友だちと会ったり・・・本さえ読む・・・あなたは役にも立たないことに時間を浪費して・・・」
 

するとフージーは、ぶすっとして客を扱い、余計なことは一切せず、
一言も口をきかずに働くようになりました。
仕事を楽しいと思うこともなくなり、怒りっぽい、落ち着きのない人になってしまいました。

 

この部分を読んだ時、私が長男にしている声がけそのもののように感じ、恐ろしくなりました。
私には時間の無駄遣いに見える長男の行動や過ごし方も、彼にとっては人生そのもの。
私は彼からゆとりや豊かさを奪ってしまっていたのかも知れません。

自主性を大切にしてきたはずなのに、いつの間にか強制してしまって、
自分の時間を奪われないように一番手っ取り早い方法で、彼から時間を奪っていたのだと気付きました。

 

そして、人生においてとても大切だと感じることも物語の中にありました。

道路掃除のベッポはこんなことを言っています。
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな」
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
 

物事に近道なんてないんですよね。
一歩一歩進むしかなくて、急に何かができるようになることなんてなくて、
日々積み重ねていくことでしか成長はできないし、
その過程を楽しんでいる人しか目指す場所に行き着けないようにも思います。

そして、流れ行く時間の中で、今という瞬間が過去や未来を作り上げるのだから、
ベッポのように、次の一歩次の一呼吸に集中することが有意義な人生を過ごすための第一歩になるのだと改めて感じました。

 

仕事に追われ、時間に追われてしまっても、
立ち止まり深呼吸をして自分自身に「今、楽しい?」と聞ける余裕だけは持ち続けたいと思います。

 

 

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romi

romi

出産後、育児の気分転換を図るためにヨガを再開、これまでにない解放感と清々しさを覚えヨガを学ぶ決意をする。 家事や育児、仕事や趣味の中にあるヨガの種をみつけ、日々の生活の中でヨガを実践しています。

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