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2017年6月15日

小笠原 文

目を瞑るーそのときの世界、“瞬間を創造する” とは?

私たちは瞬きによって、1日に何度も目を閉じます。
その回数は1分間で、
・成人男性:約20回
・成人女性:約15回
8時間の睡眠をとったとしても、平均17000回も瞬いているそうです。

“目の渇きを潤す” ことだけが目的ならここまで多くする必要はないらしく、どうやら他の理由もあるようですよ。

ー体の仕組みー
〈目を開けているとき〉→情報に注意を向けたり集中させる働き。
〈瞬きの瞬間〉→ 開いていたときの活動が弱まり、過去の記憶の整理や想像を働かせる機能が活発になる。

このことから、
瞬きによって “脳の状態を切り替える”  “情報回線がリセットさせる働き” があることがわかっています。

 

ーーーーー

○目を開けているのに見えないもの

目を閉じている時
“周りの世界はどうなっているのか” って考えたことはありますか?

ある人は、「見ていたものがそのまま残っている」
別の人は、「全てが消えている」と答えたり。
また、「全く別の世界が広がっている」と言う人もいます。

同じように、
“今、あなたの真後ろの景色はどうなっていますか?”

鏡に映れば、映った鏡の中の景色を見ているし、
カメラで背景を撮ったとしても、その写真を見ているだけに過ぎません。
どちらもその目で自分の真後ろを見たわけではありませんね。
ー目を閉じている間は周りを見ることができず、開いていたとしても見えない世界があるのですー
それって当たり前のことのように思われますが、よく考えて見るととても不思議だと思いませんか?

 

○ “瞬間” を創造する

人はいろいろな空間の中でうまくバランスをとりながら生きています。
24時間怒っている人はいないし、ずっと笑っているだけの人もいません。
けれど、赤ちゃんは様々な感情を自由に表現していますね。

“いまこの瞬間”

今ここにいることが難しいと感じてしまう日々は精神のバランスが崩れそうなときが多く、
孤独を感じやすかったり、魂が離れてしまいそうな感覚になることもあります。
その状況が「辛い」「苦しい」等を生み出す材料となるのですが
それを安定した中立の領域に呼び戻すため、人は様々な方法で『今』へと向かうのかもしれません。
(※エネルギーだけをみた場合「辛い」も「楽しい」も何も変わらない同じエネルギーとして捉えられます)

 

瞬間とは続くものではなく、
微細なズレのときはすでに次の瞬間です。
そしてまた次の瞬間、次の瞬間、、、
どこまでいっても果てしなく『瞬間』が続いていくのです。

それはまるでコマ送りのように1枚1枚の絵が次々と繰り出され、動画を見ているような錯覚になっていることが目の前で起きている出来事で、
その連続がわたしたちの人生を創っているのだとしたら。

その絵のような瞬間一つ一つ、一体何を選びますか?
そして次の瞬間の出来事は?

 

○瞬きの中の世界

瞬きは場面を切り替える一つの幕のようだとの捉え方もあり、次に目を開けた時には全く違う情景になっているのかもしれません。

目を閉じている時、暗闇が見えます。
その暗闇の中にも何かが見える時、ありませんか?
様々な模様が姿を変えていく様子だったり、
宇宙のように広がる星のようなものだったり、
また、何かの情景が見えることもあったりします。

それは、“残像” “瞼の向こうの光” “血管” 硝子体の刺激による光”
などが挙げられるようです。

しかし、“体というこの魂の乗り物の機能である眼球” からの情報を遮断したとき
見えないものが感じ取れるよう、スイッチが切り替わります。

気づかなかったことに気づき、
見えなかったものが見えてくる。
そんな経験はあるのではないでしょうか。

 

視覚に障害のある方は他の感覚が飛び抜けて冴えることもあるようです。
まるで見えているような振る舞いや行動など。
見えている側でさえ気づかなかったことに気づいたり。
眼球ではない《眼》が研ぎ澄まされるのだと感じます。

 

暗闇の光
 

○瞬きを利用してどうするか

気持ちをリセットしたい時にもよく目を瞑ります。
願い事をするときも。
集中したい時にも。
見たくないものを見てしまったときも(!?)

無意識に、瞬きを使って気持ちや情景を切り替えようとしているのではないでしょうか。
何であれ、
次の瞬間を描き、どんな世界を見るのかはいつも自分次第だということです。

 

ヨガクラスの中でも目を閉じる瞬間があると思います。
そこで何を感じるか。
何に気づいていくのか。
何が変化していくのか。変化させたいのか。
意識の向く先の調整。
など、その時々や人それぞれによって、目を閉じている間にも多彩なドラマがあるような “大きな意識の動き” が行われているのかもしれません。

 

ーーーーーーーーーー

生まれてくる前にわたしたちは、
・まず目的は何なのか。
・どこの国や土地に生まれて
・そこはどんな家族で、どんな生い立ちで、、、
などなど。
だいたいのストーリーを決めてくると言われています。

しかし、細かいちょこちょことした設定はしていないらしく、
実際に “生きる” ことをしながら、次の瞬間瞬間を選んでいくのだそうです。

今見ているこの世界と同時に、同じような世界がいくつもいくつもたくさんあって、
無意識に次の瞬間を選び繋ぎ合わせているのだとか。

次の瞬間を選ぶのは、その直前の自分自身です。

 

今ここに存在していることは、
『本来の自分の姿』ではなく、
根源とも呼ばれる大きなエネルギーから枝分かれのように離れていった細いエネルギー体『分離の姿』であり
それを、より元の根源へと近づけていくための手段の一つとして “ヨガ” がうまれたという説もあります。

 

意識が深くなればなるほど
思考は消えて、よりシンプルに物事を捉え生きることができてきます。

シンプルは無駄がありません。
いえ、全てにおいて“無駄なもの”なんて微量たりともないのですが。

今見ているこの文字も、
そして顔を上げた先に広がる景色も。

思い描いたものが映っているでしょうか。
それとも、それはもう少し先に映るのでしょうか。
いつ映すのかも自分で描くことができます。

瞬間という瞬間ひとつひとつが輝き放ちますように。
素敵な時をたくさん創り上げてください。

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小笠原 文
【音のヨガ専門講座:https://vende-school.jp/course/unitup_syc/】ハタヨガに音をプラスした、新しいスタイルの「シンギングボウルヨガ」を主に活動中。からだの状態や年齢にかかわらず、幅広い方にもヨガと音楽療法の相乗効果をお楽しみいただけます。 *バンデヨガ・インテグレーション(養成講座)における音のヨガの専門講座『Sound for Yoga(SYC)』創設、講師を務める。 *全米ヨガアライアンス(RYT200)修了、 バンデヨガ・インテグレーション(VYI200)修了、 各種専門講座修了、 シンギングボウルサウンドヒーラー、 yogamusic CD解説ライター .

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