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「素敵な、男性インストラクター」

2/3  野村賢吾 の歩む道に、触れてみる

の歩む道に、触れてみる

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  • ヨガインストラクターとは、どんな存在であるべきでしょうか?
 

ヨガインストラクターとは、どんな存在であるべきでしょうか?

ヨガだけがつくり出せる時間『Quiet time』

 
[ヨガッコ] ではここからは、少しずつ現在の賢吾さんの活動について聞いていこうと思います。
まず、賢吾さんと言えば『音Yoga』について伺いたいのですが、 大切な街、サンフランシスコで触れた音楽から派生したものなのですか?
[ケンゴ] 直接そうではないんですが、音に興味をもち、追求するようになったきかっけとして影響していると思います。
サンフランシスコで出会った音楽は、HIPHOPやダンスミュージック、バリバリのクラブミュージックです。
[ヨガッコ] 一見、ヨガとは遠いように感じますが、今でもクラブは行くんですか?
[ケンゴ] そうですね、行きます。笑
ヨガやって段々そういうところに遊びに行かなくなるライフスタイルもあっていいと思うんです。
でも、僕はやっぱり好き。もう忙しいしオールナイトは辛いから毎週末はさすがに無理だけど、 休みになったら普通に行こうって思っちゃいます。
[ヨガッコ] そういう考え方、好きです。賢吾さんはCDを作られたり、イベントでDJなどもされていますし、 そのライフスタイルから生み出される素敵なコトをたくさん感じています。


『音Yoga』とは、どういうものなのでしょうか。
[ケンゴ] 最初はすごく単純で、シャバのときにどんな音が聞こえて来たら気持ちいいかなぁというところがスタートでした。
動いているときは心拍数も上がってくるので、少しリズム感がある方がいいんです。 シャバアサナと動かすときでは、合う音質が全然違うんですよね。
[ヨガッコ] なるほど。そのための音をご自分でプロデュースされているということですね。
音作りはどんな風にされるんですか?
[ケンゴ] クリスタルボウルという楽器を使って作ります。
昔はスタジオ入って、10~15分くらいの演奏を一発でライブ録音っていう録り方だったんですが、 今はまず一音一音を録って、それに自然の中の音を組み合わせたりしてPCで作ってます。 屋久島とか、登山も好きなんですけど、そういう自然の中に出かけたときに川の音とか録音して来て来て、組み合わせるっていう・・・
まぁ、なんか、こじらせてます。笑
[ヨガッコ] いやいや、すごいです。
『音Yoga』を受けて、「今までとは感じ方が全然違う」という声をよく耳にするんです。 その違いって、具体的にはどういうところだとご自分では感じていますか?
[ケンゴ] 嬉しいです。ヨガで一番おいしいところって、静寂だったり静けさを感じるところだと思ってるんです。
それを僕は『Quiet time』と言って、自分の鎌倉でのスタジオ活動の名前にもしています。 『音Yoga』と矛盾するように感じるかもしれませんが、音が無いということではないんです。
[ヨガッコ] 無音ではない静かな時間ですか?
[ケンゴ] からだがいいパフォーマンスをしているとき、頭の中には静けさもあると思うんです。
僕が好きなのは、ポーズをフローさせるビンヤサのスタイルですが、その動きの中でも内観したり、 呼吸をキープし続ける洞察力を冷静に感じとってもらうことをいつも意識しています。
そしてシャバアサナでは、からだの適度な疲労感とか解放感を感じつつ、プラーナがまわった状態での休息を。 その時、からだはリラックスしているけど、アタマは“寝てる・起きてる”のはざまに居ることができます。 この何とも言えない感覚が『Quiet time』だと思って、大事にしています。

他のどのスポーツでもボディワークでも味わえない時間ですからね。 シャバアサナはヨガだけがつくり出せる、とても静かな時間なんです。
[ヨガッコ] その感覚をつくり出すツールのひとつが『音』なんですね。
[ケンゴ] そうですね。毎回のクラスには持って行けないですが、 鎌倉のクラスやイベントではシャバアサナを30分くらい長めにして、クリスタルボウルを演奏したりもしています。
[ヨガッコ] 生演奏とは、素敵ですね。クリスタルボウルが一番適した楽器だったんですか?
[ケンゴ] 音の性質的に、脳波を安定させる作用をもっているんです。
シャバに合う音を探していたときに、はじめて聞いてコレだと思いました。
水晶の特徴で音の振動がすごく安定していて、鉄や銅と違って、音がブレずに長く出せるんです。 時計の中にも水晶が入っているものがありますが、1秒を正確に刻む為にその振動の安定性から水晶が採用されているそうですよ。
[ヨガッコ] 知らなかったです。クリスタルボウル、ちょっと欲しくなりましたが、高いんですよね? 
[ケンゴ] 高価は高価です。そして、ひとつが重いんですよ。 イベントやWSで移動があるときはすごく気を遣います。でも、1年に1個くらいは割れることが。 そのときは、心と財布が叫びますよ。笑
[ヨガッコ] もうひとつ、すごく独創的なフローでレッスンされるという声も。どんなことに心がけているんですか?
[ケンゴ] ありがとうございます。そこには、鍼灸師としての知見が活きているのかも知れません。
[ヨガッコ] 賢吾さんには現役鍼灸師としてのお顔もありましたね。
鍼灸師になられたのは、ヨガの仕事をしながらだったとか。
[ケンゴ] はい、からだのことをフラットに、医療系の視点からもっと勉強したいと思ったのがきっかけでした。 仕事をしながら学校に通って、本当に修行のようでしたが、 そこで得た知識や臨床での経験で自分の情報がアップデートされてヨガにもどんどんつながっていくんです。
[ヨガッコ] その研究が独特のフローの基盤になっているんですね。
ヨガは最初からフリースタイルを追求されていたんですか?
[ケンゴ] いえ、最初はアシュタンガヨガをやっていました。
まず日本に最初に入って来たビンヤサのヨガはアメリカからのパワーヨガやアシュタンガヨガなのですが、 10年前に東京でビンヤサスタイルのヨガをやってた先生はほとんどアシュタンガの先生だった。
今、鍼灸師として解剖学の視点から見ても、アシュタンガヨガは本当にものすごくよくできたシークエンスだと思います。
[ヨガッコ] それでもフリースタイルに移ったきっかけは何だったんですか?
[ケンゴ] 東京という街は世界的にも注目度は高くて、オーストラリアやニューヨークのフリースタイルの先生も次第に増えてきました。
初めて彼らのレッスンを受けたときに、自分の知らないポーズがたくさんあって、弱いところがたくさん見えて、衝撃だったんです。
[ヨガッコ] それはまた興味深いですね。
[ケンゴ] ヨガの先生って、料理を提供するのと似ていると思うんです。
アシュタンガは伝統的なヨガのスタイルだから、このレシピでこういう味付けで、 あなたの主観よりもインドのピュアなものを混ぜ物しないで出してねっていうものだと思うんです。 もちろんその中で有哉くんや和也くんみたいに今の時代にあった見せ方をしてくれるクリエイティブな先生もいっぱいいて、 そうやって続いて行くものですよね。
一方、フリースタイルは、先生がその日の生徒さんのレベルやノリや天候とかを見て、 その場で出して行くものです。
冷蔵庫を開けて、食材見て、今日はこれだなって作って出す料理みたいな。
[ヨガッコ] なるほど。分かりやすいですね。
[ケンゴ] その衝撃はやっぱり大きくて、フリースタイルに魅了されたんです。
[ヨガッコ] 確かにすごくぐっときました。
反面、とてもレベルが高いことが求められると思いますが、いいシークエンスを組むコツってあるんでしょうか? 悩んでいるインストラクターも多いと思います。
[ケンゴ] いいシークエンスが何かにもよりますが、最後のシャバのリラックス感を追求するなら、 からだの作用として、例えばいい血液循環をつくることが、ひとつ大事ですよね。
インストラクターからシークエンスの作り方とかクラスマネジメントが上手くいかないという相談を受けることもありますが、 鍼灸師の視点からみると、シークエンスの組み方が雑なんです。
ポーズは変わるけど、関節が同じ方向にしか曲がらない組合せをつくっていたりって意外と多いんですね。 それでは血液やプラーナのいい巡りはつくれません。関節の動きに着目して、緊張と弛緩を上手に組み合わせてみてください。
[ヨガッコ] 素敵なヒント、ありがとうございます。
 
『Quiet time』のために、追求された“音”と、鍼灸師としての知見に基づいた“フロー”、 ぜひ、賢吾さんの『音Yoga』、体験してみたいですね。
 

 

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時代の流れを見つめつつ、ヨガを「表現する」ということ。

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■ 野村賢吾

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